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内容説明
いなくなった若い娘は醜い容姿に悩み、怪しげなセラピーにのめりこんでいたという。町ではこのところ、交霊術や心霊手術師の存在も問題になっていた。死体も証拠もない五里霧中の捜査のなか、フレヤは謎多き上司、サイモン・セレイラー警部に心乱されながら連続殺人の線で犯人を追いつめてゆくが…。美しい町にひそむ恐るべき犯人の素顔とは！？サマセット・モーム賞受賞の著者によるミステリーの白眉。
著者等紹介
ヒル，スーザン［ヒル，スーザン］ ［Ｈｉｌｌ，Ｓｕｓａｎ］
１９４２年、英国ノースヨークシャー州生まれ。キングス・カレッジ在学中に処女作Ｔｈｅ Ｅｎｃｌｏｓｕｒｅを発表。ジャーナリストとして活躍したのち本格的な作家活動に入り、７１年にサマセット・モーム賞を受賞、翌７２年にはブッカー賞候補となる
加藤洋子［カトウヨウコ］
英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
23
「丘」付近で失踪した女性の事件に連続性を感じた女刑事が主人公のお話(下巻)で、彼女が征服的な夫から逃れて田園都市で心機一転、人生をやりなおす話でもあるんです。部下にも優しくなかなか魅力的なヒロインなんです。でもこれ上司の男警部のシリーズ第1作目なんですね。ぶっちゃけ警部は途中殆ど何もしませんで、最後の5%になってから本格介入するんですよ。何故なら○○が○○○たから。ギヤアアアｗ ヒル先生さすがやで！ 犯人は結構なサイコさんなんですが、それより周辺の似非医療・心霊療法とかが厭らしく書かれているのも中々です。2016/08/16
みみずく
16
ラファトンの町で起きた失踪事件を捜査するフレヤだが、一向に手掛りが見つからない。その一方犯人の「捕まりたくないけど自慢したい」という心理の流れも巧く描かれていてイヤな気持ちになった(褒めています)このシリーズは、あとがきによると「サイモン・セレイヤーシリーズ」らしい。展示会を開く程の絵の腕前、出世頭の美貌の警部、聞き上手で、女性を魅了しては拒絶するというサイモンは、彼に恋する人物からの視点だけで語られたので第一作目ではよくわからない人物だった。これから先の作品に期待。2014/01/27
星落秋風五丈原
13
サイモンに一目ぼれしたバツイチの巡査部長フレヤの視点から描かれるため、彼の思考パターンは全く読めない。フレヤのサイモンに対する一喜一憂の方が気になって、恋バナを覗き見しているような気分になってしまった。だって本当にフレヤが可愛らしいんです。彼が美形の女性（姉）と一緒にいたといっては心を乱し、彼の部屋に誘われて話をしたらその時間が楽しくて「やっぱりこの気持ちを抑えておくのはやめよう」と思ったり。誰もがこの恋がうまくいくといいなぁと思いたくなるような書き方をしてるんですね。なのにやっぱり容赦ない。2014/10/13
barabara
11
読みやすい文体。表紙を眺めつつ読むと、確実に日本ではない異国感に包まれムード満点。ポツポツと行方不明になっていく女性のそれぞれの悩み、精神的苦痛からの怪しげな世界への入り込みがうまくて違和感なく読んでいける。フレアとサイモンの始まりそうで始まらない感じもジワジワと実にいい。残念だったのは唐突な犯人のお出ましと、出来過ぎな最後の畳みかけ、かな。2014/01/31
nightowl
6
野心に燃える記者が大々的に失踪事件を報道。事件は思わぬ方へ展開し―犯人が判明してからの緊迫感がただごとではない。お願いだから何事も無く終わってほしいという思いも虚しく、起きた出来事に茫然。恋に悩む上司と部下、友人同士でありながら代替治療への意見が分かれている二人、ルームメイトの失踪に悩むうら若き女性や気の良い隣人など、愛すべき登場人物が沢山いるのに…ところで、犯人のノートには何が書かれていたのかとても気になる。続編刊行切に希望。2014/03/15
