内容説明
欧米列強の来航で揺れる江戸時代後期、日本を開国し、近代化の道を開いた若き宰相がいた。幕末史に一石を投じる歴史小説!
著者等紹介
穂高健一[ホダカケンイチ]
広島県・大崎上島町出身、中央大学・経済学部卒業。日本ペンクラブ(会報委員)、日本文藝家協会、日本山岳会、日本写真協会の各会員。地上文学賞『千年杉』(家の光社)、いさり火文学賞『潮流』(北海道新聞社)など8つの受賞歴がある。ジャンルは純文学、推理小説、歴史小説である。朝日カルチャーセンター、読売・日本テレビ文化センター、目黒学園カルチャースクールなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kei.ma
9
明治維新前夜、我が祖国は危急存亡の秋を迎えていた。鎖国、攘夷では清国の二の舞いになる。時の宰相は主人公阿部正弘。弱冠26歳にして今の首相に当たる老中首座に抜擢され、欧米列強との開国、条約締結を成したのである。そう明治の前にこの働き、これを維新と云わずして何が維新か、と作者の噴飯ぶりが届いてくる。とはいえ、主人公の優しさ、聞き上手さが同年代の思想家や後世の歴史家からは、八方美人とか根回し上手等の批判を招いたかもしれない。だが、私は信じたい。39歳で生涯を終えた阿部正弘さんこそ唯一無二の救国の旗手であったと。2019/11/04
鷹取利典
0
書き出しは、感応寺の性に狂った大奥と僧侶の逮捕突入から始まる。他の役人がいがやるこの難問を見事に解決すると、家斉大御所の偽遺書による将軍家乗っ取り事件までも解決し、幕府を守った。 若干25歳にして老中首座に就き、いち早く開国の必要性を悟り、アメリカや、オランダ、ロシヤから開国に迫られる中、反対派の妨害に対し優秀で有能な人材を抜擢しながら、知恵と忍耐で開国へと推し進める。数々の国内改革を断行し、近代化路線、貿易立国の道を創り上げていきます。 天才政治家の阿部正弘の施策が、わかりやすく読みやすい。2020/11/18