出版社内容情報
童貞喪失、人文学史上で黙殺されてきた恋愛不要の結婚、そして死。
ヴォルテールの執拗な攻撃、ヴァラン夫人とドゥドト夫人への想い。
精神分析とポストモダンの泥沼にまみれたルソーを救い出し、
未だ多く残る君主制を廃棄する手がかりとして、その思考を追う。
【目次】
内容説明
他人の「告白」を嫌い、「私小説」を嫌い、自分では決して「告白」などしない君へ。童貞喪失、人文学史上で黙殺されてきた恋愛不要の結婚、そして死。ヴォルテールの執拗な攻撃、ヴァラン夫人とドゥドト夫人への想い。精神分析とポストモダンの泥沼にまみれたルソーを救い出し、未だ多く残る君主制を廃棄する手がかりとして、その思考を追う。
目次
第一章 ジュネーヴ共和国の子
第二章 ヴァラン夫人という「ママン」
第三章 「作家」としての出発
第四章 妻テレーズ・ルヴァッスールの謎
第五章 ドゥドト夫人との恋愛、哲学者たちとの決別
第六章 『新エロイーズ』の大成功
第七章 ルソーの逃避行
第八章 パリでのルソーの晩年
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ。作家、比較文学者。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。著書に『聖母のいない国』(サントリー学芸賞受賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoyogi kazuo
3
自分語りを交えつつの評伝という形式が斬新でかつ読みやすく、ルソーの生涯を興味深く辿ることができた。過去のルソー研究を前提にしているのでこの本だけではルソーの思想のどこが世界にあれほど大きなインパクトを与えたのかは判然としないが、従来のルソー研究ではほぼ陰に隠れている妻テレーズに焦点を当てた記述はユニークで、表紙のテレーズの肖像画も素晴らしい。著者とルソーのどちらのファンでもある自分にとっては堪らない一冊。2025/12/31
Lieu
1
言語の透明性を信じるからこそ『告白』を書いて世間に自分のことをわかってもらおうとしたルソー。純粋な精神を嘲笑するフランス文化(・その象徴としての演劇)と戦ったルソー。そして共和主義者ルソー。これらのルソー像がこの伝記では一つに収斂してゆく。しかしヴォルテールってここまでひどい男だったのだな。権威主義的で徒党を組んで人を攻撃するくせに、シニカルな態度を崩さず、自分を寛容でバランス感覚がある人間と思っている。私の知人にも三人くらいヴォルテールみたいな人間がおり、うち一人にSNSで匿名で攻撃されたことがある。2026/01/28




