内容説明
ある時は宇田川芥子、ある時は伊庭心猿。荷風の偽筆を製作し、『四畳半襖の下張』を売り捌いた「インチキ渡世のイカサマ師」にして、この顛末を描いた荷風の小説『来訪者』の「木場貞」のモデル―その生きざまに荷風、佐藤春夫ら各々の視点から迫る資料集。
目次
1 佐藤春夫『わが妹の記』 その主人公(わが妹の記;資料 『南紀芸術』は斯て生れぬ/南紀芸術社規)
2 永井荷風『来訪者』 木場貞こと伊庭心猿(来訪者;資料 来訪者のモデル)
3 盗まれた『四畳半襖の下張』(資料 葛飾こよみ―荷風戦後日暦;定本四畳半襖の下張(生田耕作校訂))
4 荷風と春夫 木場と呼ばれた男(小説永井荷風伝(抄)
資料 週刊明星レポート 文豪荷風の艶本秘話“四畳半襖の下張”をめぐって)
著者等紹介
善渡爾宗衛[ヨシトニムネエ]
探偵小説、文芸資料等の調査、研究を主として行なっている。日本古典SF研究会、愛蘭土文学研究会会員。著述多数
杉山淳[スギヤマアツシ]
国文学研究者。第一回日本SF評論賞で「黄金律の探索者―星新一試論」が最終候補。専門は芥川龍之介。日本古典SF研究会、愛蘭土文学研究会、日本キリスト教文学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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