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出版社内容情報
96年までの48年間、みすず書房の本が生まれた本郷三丁目の旧社屋を写真と関係者の文章で残す。人文書出版のひとつの現場。
潮田登久子[ウシオダ トクコ]
目次
1章 社屋外観
2章 書庫の階
3章 室内
4章 人物
5章 編集会議
6章 解体直前
7章 解体
著者等紹介
潮田登久子[ウシオダトクコ]
1940‐。東京都生まれ。1963年桑沢デザイン研究所卒業。同研究所で写真家・大辻清司の授業を受け、写真家の道に進む。1966‐78年、桑沢デザイン研究所及び東京造形大学で写真の講師を勤める。1975年頃よりフリーランスの写真家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyu
41
初っ端、旧社屋正面入口合い鍵の写真から「うわっ」となる。もちろん静やかな本の装丁も素敵だが、社屋の内外のモノクロの写真たちの無口でいながらもじっと真面目な顔してこちらをみつめてくる雄弁さに酔った。写真の合間に控えめに入る散文は時を駆けるようで胸がきゅんとなる。さらに惹かれたのは活字体と行間。がっついてなくて、そこはかとなく品があるのにお高くとまってない。全てが良質だから男で言ったら絶対に「ヤバイやつ」だ。読み友様のレビューから興味を持ち手に取ったが本好きの方ならきっとみんな魅了されるはず。とてもオススメ。2017/10/15
ワッピー
29
読み友さんの紹介。あの壮麗な学術書レーベルは長年、本郷の小さな社屋で生み出されていた。ワッピーにとって本郷は第三の古書の町でしたが、あいにく旧社屋のあったあたりにはあまり足を向けたことがなく、旧社屋を実見していないのは残念。モノクロームで残された外観、内部構造、人、会議、そして解体の様子まで建物を看取ったすばらしい写真集でした。各章に寄せられた「みすず話」もすばらしく、岡本敏子との縁の不思議さにはため息が出てしまいます。また写真家潮田登久子の配偶者があの島尾伸三で、同じく子供の頃両親に連れられて(↓)2019/10/31
おおた
28
写真集を見て涙が出そうになったのは荒木経惟以来かなあ。うずたかく積まれた資料、ドアの重しになっている『日本紳士録』、PC98XXとプリンターと蛍光灯、編集者に印刷会社、主をなくしたハンガーの跡。白黒の線と点がみすず書房から出た数々の名著を支えていたのかと思う。写真家の夫が島尾敏雄の息子で、幼い頃にみすず書房旧社屋の古ぼけた階段を見た覚えがあるという話がしんみりとくる。本が好きな人はこんな場所ですばらしい数々の本が生まれたことを知っておくべき。現存の出版社もそれぞれ写真集として残すべきではないか。2017/08/24
ロア
28
戦後間も無く建てられた一軒のこじんまりした民家兼出版社。増改築を繰り返し、いつの間にか居心地の良い隠れ家のような場所に。そこは出版社というよりも家内工業を営む家族が暮らす家のよう。約20年前の社屋解体直前から解体までを追った写真と関係者によるエッセイ集。撮影した潮田さんがしまおまほさんのママだったことに気付いてちょっとビックリ。さらに、パパである島尾伸三さんが幼い頃この旧社屋へ両親と訪れた記憶を思い出す巻末エッセイや、岡本太郎さんのパートナー平野敏子さんとみすず書房との不思議な縁が印象的でした。2017/02/05
tom
20
「みすず」は、私の若いころのあこがれの出版社。シンプルな装丁と難解な内容。レビストローストやフッサールなど、何冊も買いました。最後までページを追っても、内容は少しも頭に入っていないことの繰り返しをしていた本の出版社でもあります。で、この本は、その「みすず」書房の神戸震災以前の社屋とそこで働いていた人たちの写真集。こういう写真の撮り方もあるのだと、この本を開いてみてビックリ。「みすず」の人たち、こういう場所で働いていたのかと、見たこともない場所、会ったこともない人たちなのに、奇妙に懐かしい印象。写真の力だ。2017/10/02
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