内容説明
文士ばかりでなく、芸術家や社会主義者も集った西洋料理店&カフェ「鴻乃巣」の店主・駒蔵のディレッタントとしての生涯を追跡した書下ろしノンフィクション。
目次
第1章 文士の梁山泊「メイゾン鴻乃巣」
第2章 駒蔵の生い立ちと横浜修行時代(駒蔵の生い立ち;横浜修業時代)
第3章 「メイゾン鴻乃巣」誕生と変遷(日本橋小網町「メイゾン鴻乃巣」誕生;日本橋木原店へ;京橋南伝馬町へ)
第4章 自由人駒蔵の素顔(画家気どりの鴻巣山人;多彩なる旅の足跡;映画・演劇界との関わり;個人雑誌『カフェエ夜話』)
第5章 駒蔵の晩年・死とその後(駒蔵の死まで;スッポン料理「まるや」と魯山人;駒蔵の遺産)
結び
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみえ
6
大正時代、風と共に去った西洋料理店主の軌跡。教科書に登場する凄い人達がぞろぞろ出てくる。この頃の建物や文人達の生き様が好きで、つい手にしてしまう。生きる事は昔も楽ではないのに、何だか力と明るさを感じる。でも、こんな高級店にタイムスリップしても入れないだろう。どんな料理だったのかな。2015/09/27
akiu
1
多くの大正文士が集った西洋料理店「メイゾン鴻乃巣」のオーナーである奥田駒蔵の一生を追ったノンフィクション。著者は駒蔵の義理の孫にあたる方で、多くの文献を調べ、関係者にあたるなど、まさに生涯をかけて彼の研究をされているようです。明治末期〜大正時代のきらびやかな雰囲気が浮かび上がってくるような内容です。尾竹紅吉の「五色の酒事件」とか面白い。駒蔵自身の生涯も非常に興味深く、若くして急死してしまったのが悔やまれます。非常に丁寧な調査をもとに書き上げた労作でした。小説にしたらとてつもなく面白くなるのではないか。2018/12/29