内容説明
暗い時代を通じ親しく交わった文豪を回想する「谷崎潤一郎」。源氏物語に対する日本人の受容の歴史をたどる「好色論」。猥褻、言論統制、作家の政治参加…「性」と「政治」と「文学」の拮抗をテーマに、いま再考されるべき評論的随筆集。
目次
1 谷崎潤一郎(蓼喰ふ虫;信越線の出会い;源氏物語現代語訳 ほか)
2 好色論―日本文学の伝統
3 性と政治と文学と(小説を読む心の新しさ;三木首相との三時間半―政治における新しいリベラリズムを確立するために)
著者等紹介
舟橋聖一[フナハシセイイチ]
小説家、劇作家。1904年12月25日、東京市本所区横網町生まれ。高千穂中学校、旧制水戸高校を経て東京帝大国文科に進む。在学中の25年、河原崎長十郎らと劇団「心座」結成、また阿部知二らと「朱門」創刊に参加。26年、戯曲「白い腕」で文壇に登場。28年、田辺茂一主宰の「文芸都市」に参加。同年、大学を卒業(卒論は「岩野泡鳴の小説及び小説論」)。32年から「都新聞」に連載した「白い蛇赤い蛇」で劇作家から小説家へ転身。38年、明治大学教授。戦後、『雪婦人絵図』「夏子もの」などの風俗小説で流行作家となる一方、日本文芸家協会理事長、芥川賞選考委員、国語審議委員、横綱審議委員などを務める。64年、『ある女の遠景』で毎日芸術賞、67年、『好きな女の胸飾り』で野間文芸賞。66年、日本芸術院会員、75年、文化功労者。76年1月13日、急逝心筋梗塞により死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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