内容説明
あたかも美しい無権力状態の螺旋。文学、美術、吸血鬼、怪物、悪魔、錬金術、エロティシズム、マニエリスム、ユートピア、迷宮、夢―聖俗混淆を徘徊する博覧強記の文章世界。
目次
落魄の読書人生
ペテン師、世界を駆ける
小説の生体解剖―ローベルト・ムージル『特性のない男』
転んだあとの杖
変身の万華鏡―ホフマン『ブランビラ王女』
ホフマンの百面相
『ホンブルク公子』と病める言語
非人間的なものの浮力について
ヒュメナイオスの死
否定の弁証法―M・ブランショ『カフカ論』〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
1
単行本未収録集。夢記、読書論などの後、1.ドイツ文学 2.ブックガイド 3.博物学周辺の表象文化 4.エロティシズム 5.吸血鬼から怪談まで恐怖をテーマに 6.テクノロジー 7.幻想の土地、宇宙、ユートピア、終末など空間をめぐって 8.バロック、マニエリスム、シュルレアリスム 9.宗教、原型、権力など人文科学 エピローグはクライスト論。 至福の読書体験だった。あの『悪魔禮拝』の最終回も収録されてる!また、解題では、種村季弘の死後、新たな編集での本がしばらく出なかった経緯も書いてあった。 2014/12/05