内容説明
古書を入口に、百年前の日本へ思いを馳せる。日露戦争、大逆事件、二つの世界大戦…時代のなかで忘れられた人々の姿を生々しく描き出す、“小さなエピソード”の数々。惜しまれつつも急逝した評伝作家が、歴史を読み、書くことの魅力をつづる単行本未収録エッセイ集。
目次
「障害」を超越する人間の能力
読書日記
かつて“IT”の花形だった鳩
禁衛府の鳩通信
フォークの神様と鳩
味な提言
神保町にあった『食道楽』ゆかりの洋食屋―おとわ亭
村井弦斎の英文小説とマーク・トウェイン
熊の掌と河豚
文明開化の味を訪ねて〔ほか〕
著者等紹介
黒岩比佐子[クロイワヒサコ]
1958年5月1日、東京生まれ。1981年、慶應義塾大学文学部卒業。PR会社を経て、フリーのライター・編集者に。1999年、『音のない記憶―ろうあの天才写真家・井上孝治の生涯』でデビュー。2004年、『「食道楽」の人村井弦斎』でサントリー学芸賞、2008年、『編集者 国木田独歩の時代』で角川財団学芸賞を受賞。2010年、『パンとペン社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』刊行直後の11月17日、膵臓癌のため死去。翌年、同作で読売文学賞(評論・伝記部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ryohjin
15
ずっと読もうと思っていた黒岩比佐子さんの本、初めて読むことができました。著者が亡くなった後に、エッセイをまとめたもので、著者の全体像が読み取れます。明治以降の日本人の評伝を書きたい想いが強くあり、本書でも何人か登場しますが、輪郭のくっきりとした文章で人物像が浮かび上がり、視点の確かさを信頼して読むことができました。古書ファンでもあり、神保町の古書会館で著作の素材となる古書をかかえて舞い上がる姿に親しみを感じます。早世してしまい大変残念ですが、残された著作(単著は10冊)をこれから読んでいきたいと思います。2024/04/29
ひげおやじ
0
この本を読んでいると黒岩さんの本を読みたくなるのだが、なかなかない。2014/04/19
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- あしたの貌 講談社文庫