内容説明
対話形式&1コママンガでいちばんわかりやすいニーチェ入門書の決定版!明日役立つ哲学がこの一冊に。
目次
1 哲学ってなに?―ニーチェの哲学で生き方が前向きになる?(哲学ってなんですか?何の役に立つの?;哲学は「白哲学」と「黒哲学」の2種類だけ ほか)
2 人生に意味はないってホント?―背後世界、ニヒリズム、末人(あなたが生きている意味ってある?;「背後世界」でわかる不幸の構図 ほか)
3 道徳なんて弱者のたわごと?―ルサンチマン、奴隷道徳(ルサンチマン(嫉妬)が生み出した道徳
キリスト教が世界の価値を逆転させた ほか)
4 死にも未来にも意味はない?―超人、永劫回帰(人はみな「絶望」にいたる;人類最大の贈り物「ツァラトゥストラ」 ほか)
5 それでも哲学を学べば生き方が変わる―大いなる正午、力への意志(ニーチェの哲学を学んだきっかけ;自分の意志の存在を疑う ほか)
著者等紹介
飲茶[ヤムチャ]
東北大学大学院修了。哲学作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
122
安定の分かり易さには感謝しかないです。数々の名言を残したニーチェの思想は逆転の発想であることが興味深く、ニヒリズムに対抗できるのはニーチェの思想が有効であるように思います。しかしながら、当時の宗教(=キリスト教)やコンセンサスと逆行し、パラダイムシフトまでには至らなかった理由は思想のバランス感覚を欠いたからなのでしょうか?でも、思想にバランス感覚なんて必要?とも思いますが、その思想をツールとして使う以上はやっぱりある程度のバランスが必要かな、と思索にふけっています。2022/11/05
ポルコ
64
表向きには、ニーチェの哲学をわかりやすく解説した入門書になってはいるが、この本の真骨頂は最終章の、作者飲茶本人の哲学にあるんじゃないかと思う。ラスト、アキホちゃんと作者の融合は、ちょっと感動した。2018/03/07
ふぅわん
52
【他人の人生を生きるな。】今感じること、今したいこと、今の想いを瞬間瞬間、大事に生きなきゃいけない。 自分の想いに素直になれるか。。。なりたい。いつも真逆。本当、素直じゃないのなと実感。自分の感じたまま、面白いことも、表現して喜怒哀楽も自由に生きていい。そのままを、そのまま感じたままを自分で楽しまなきゃ損なのに。そうじゃなきゃ自分の人生じゃないよね。自分で自分を肯定し向き合って、その時を過ごして面白おかしく生きていい。それでこそ生きてるっていえるのよね。自分の人生は、旅してつくるもの。2019/07/14
黒猫
32
とにかく分かりやすい。「神は死んだ」で有名なニーチェだが、いったい何を今に残したのか?わからない人にはオススメ。実存とは現実存在の略であり、今の~しなければならないという価値観は、人間一人一人には苦しみしか与えずにそれは「奴隷道徳」とよばれ、弱いものが正しく、強いものが悪だということは妬みから来た古くからの宗教感に基づくものであり、これを否定し、自分の人生を肯定できる超人になるしかない。ということ。未来に価値を見いださずに、今を見つめて生きるとは禅の考えに通じるとも感じます。事実はなく解釈のみが存在する。2018/02/25
Yuma Usui
30
初めてニーチェの哲学に触れる人には最高かもしれない一冊。白哲学(本質哲学)を批判する黒哲学(実存哲学)として、社会に押し付けられた全ての価値観を否定したニヒリズム(虚無主義)から始まり、生の高揚(充実感)を得るまでの思考を紹介している。「神は死んだ」「ルサンチマン」「永劫回帰」「力への意志」など有名な言葉がどんな文脈で使われたのか理解が捗る。読んでいて朱子学(性即理)を否定した陽明学(心即理)と非常に似た思想で驚いた。また、著者の飲茶氏が体験した吃音障がいから力への意志への流れには少し泣きそうになった。2019/04/02