内容説明
東京教育大学(現筑波大学)教育学部芸術学科構成専攻は、1949年、純粋造形を研究する学士課程として、高橋正人によって創始された。1学年の学生数は約7名。卒業生には勝井三雄、清原悦志をはじめ数多くのデザイナーや教育者を輩出した。「構成」はバウハウス由来の造形教育だが、日本の伝統的な絵画由来のデザイン教育に対して、高橋が独自に考えた矜持とも言える新しい教育理論だった。モホイ=ナジ、ジョージ・ケペッシュらの造形理論に共鳴し、意味の呪縛から形を解放することで、造形はその可能性を無限に広げる。響き合い、揺らぎ、断絶し、輝き、溶け込み、飛び出し、うねりながら、形はたちにさまざまな感覚を生成させる。その形の振る舞いを丹念に解析することにより、初めて形をデザインすることができるのだ。
目次
1 構成の原理(高橋正人が著したもの;構成の原理を読み解く;高橋正人の構成から学んだもの;構成の課題とMacintosh)
2 構成とデザイン(勝井三雄の写真表現とデザイン;勝井三雄の幾何学的形態とデザイン)
3 構成教育の変様(ユニット図形を使ったピクトグラム;形の原型から表現を考える;オンライン授業の可能性;オンラインに対応した構成のドリル)