コア新書
ヒトラーはなぜ猫が嫌いだったのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784864368728
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0276

内容説明

猫がなぜカワイイのか。理由など無い。猫のかわいさは絶対だからだ。猫がカワイイことに理屈を求めてはいけない。しかし、猫を溺愛する社会には意味があることを筆者は発見した。と同時に、犬を溺愛する社会には、猫を愛する社会と対極の意味を持つことも筆者は発見する。ヒトラーは犬を溺愛したが猫を無視した。ナチスはドイツ人に犬や狼のあり方を理想として強制した。これは単なる偶然ではない。猫と犬、この二つの似て非なる生き物を巡る人々の嗜好は、そのまま社会の特徴を現すシンボルなのである。

目次

はじめに 「ヒトラーの犬」VS「チャーチルの猫」
第1章 猫を愛するすべての自由人へ
第2章 ヒトラーとナチスと犬
第3章 大成長と合理主義、江戸の「猫性の社会」
第4章 戦時体制から戦後日本の「犬性の社会」
おわりに 「犬性」から「猫性」へ 変動する日本人

著者等紹介

古谷経衡[フルヤツネヒラ]
1982年札幌市生まれ。著述家。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。立命館大学文学部史学科(日本史)卒。政治、社会、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、TOKYO FMで番組司会も担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

59
若手保守論客による文化論。猫的時代と犬的時代を著者は定義して、犬的時代の代表のヒトラー(大の犬好き)の時代、欧州の歴史と当時のドイツの状況を解説し、日本の歴史を猫時代と犬時代として分類していき、社会と意識の変化を探っていく。冷静で堅実な筆致は教科書的で少し退屈な箇所があったが現在の猫熱の意味を述べる結論部の主張は面白い。これまで得意のネット関連ネタではなく、恐らく初めての歴史や文化の読み物なのだがなかなか楽しめた。著者は当然猫派。初めて知ったがヒトラーのライバルチャーチルは大の猫派だったそうだ。良書。2016/09/20

chatnoir

17
始終ヒトラーと犬ではない。人間社会と犬もしくは猫という動物との関係を作者なりにまとめている。犬に象徴される(忠誠、従順、服従)と猫に象徴される(自由、放任、個人主義)...どちらの世界が暮らしやすいのだろう。犬か猫か極論で語らなくても良いと思う。犬の正しい規律に従順な所、猫の人に迷惑をかけない程度に自由を楽しむ所、両方あると良いと思うんだけど。 2021/02/22

Tenouji

15
「自由」「放任」「個人主義」が、直接語られることが少なくなった昨今、日本の企業では、まさに、リーダシップの再インストールが始まるのではないか、と感じていたところなので、非常にタイムリーで、意欲的な内容であるように感じた。2017/02/05

きなこ

15
私達はなぜ猫に惹かれるのか。それは猫を通してある精神を読み取っているからだ。ヒトラーは犬を愛し、猫を嫌った。犬に忠誠、従順、ヒエラルキーの尊重といった精神を投影し、それを求め、愛していたからだった。そして、現代社会において、私達は猫の向こう側に自由、放任、個人主義をかいま見、それを求めている。本書は、社会を「犬性の社会」と「猫性の社会」に分け、ナチズムや日本史における歴史的考察を加えている。2016/05/22

活字スキー

12
著者の事も内容もあまり確かめずにキャッチーなタイトルのみで購入してから略歴を見ると、若者向けの社会学系の著作が多い方だそうで、「犬性・猫性」という観点が解りやすく示されていて結構面白く読めた。日本と西洋では勿論色々と条件は異なるが、結果として犬や猫にどのようなイメージを見る社会であったか。序列、忠誠、秩序。個人主義、自由、解放。何かを強く求め執着するのは、現時点ではそれが十分でなく、さらにそうあるべきだという空気があるから。潜在的なイメージ(物語)の影響力。今後日本はさらに「猫化」するのか、それとも……?2016/10/02

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