内容説明
風俗嬢。この言葉に人は何を連想するだろうか。セックスを金で売る堕落した女。他に行き場を失った哀れな女。体で稼ぐ他に能のないバカな女。いずれにしても、そのイメージは暗い。風俗嬢という言葉の周縁には、いつだって「不幸」の二文字が、亡霊のように漂っている。しかし、果たして風俗嬢とは、本当に「不幸」な存在なのだろうか。この問いに対し、本書は敢然と「否」を叩き付ける。風俗嬢は、堕落した女でもなければ、哀れな女でもなく、あまつさえ、能無しのバカ女などでもない。風俗嬢とは、高度な専門技術と特殊な才能とを兼ね備えた、現代のビジネスウーマンである。本書は、現役の風俗嬢によって書かれた、風俗嬢、風俗業界の現在についての本である。そして、その執筆の過程において期せずして炙り出されることになったのは、「風俗嬢は不幸な存在である」という虚妄の正体、風俗嬢を「不幸」と見做さずにはいられないフツーの人々の、異様な姿だった。
目次
序章 不幸物語の終焉
第1章 風俗で働いたら人生変わった
第2章 だから風俗嬢は面白い
第3章 風俗嬢とは一体何者なのか
第4章 風俗を巡る誤解と偏見
第5章 誰が風俗嬢を殺すのか
第6章 これから風俗で働く人のために
著者等紹介
水嶋かおりん[ミズシマカオリン]
1983年生まれ。山梨県出身。風俗嬢兼風俗嬢講師。2013年に独立し、愛情工房☆性戯の味方☆設立。「セックスワーカーの生きやすい社会がみんなにとって生きやすい社会」という理念の下、精力的に社会活動も行う。セクシュアル・コンタクト、セクシュアル・リプロダクティブヘルス/ライツ(性の健康や権利)についてのNPOサポーター活動、ワークショップ、ニコニコ生放送、講演、執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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