内容説明
弁護士・日隅一雄さんが、病の痛みで眠れない夜に一篇の童話を書きました。そこには、命をかけて子どもたちを守ろうとした自身の姿と、人と社会への愛がつまっていました。この絵本を通して、私たちに託された思いをいっしょに考えていきましょう。
著者等紹介
日隅一雄[ヒズミカズオ]
1963年、広島県生まれ。産経新聞を退社後、弁護士に転身。報道被害問題に取り組み、NHK番組改変事件、沖縄密約情報公開訴訟などの弁護団に参加。ブログ「情報流通促進計画」や、自ら立ち上げ編集長を務めたインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」で積極的に情報を発信。東日本大震災後は東京電力や政府の記者会見に通い続けた。2011年5月に胆のうがんが見つかり、翌2012年6月12日逝去
一色悦子[イッシキエツコ]
福島県出身。児童文学作家。日本児童文学者協会理事。同会子どもと平和の委員会委員長。“子どもの本・九条の会”運営委員。渡良瀬遊水地の近くに住む
市居みか[イチイミカ]
兵庫県出身。絵本作家、画家。個展のほか、朗読会や音楽活動、絵本づくりのワークショップなども各地で開催。2011年の震災後、「NO!ゲンパツ展」を企画、全国で巡回。滋賀県の高原で暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naomi
25
読書メーター友人の感想を読んで、図書館で借りました。さる年になったから、保育園の子どもたちに読むのもいいなぁって思ったけれど…。う~ん、内容が重くて深い。命を守る立場にいる自分、身を引き締めなくては!と身につまされました。2016/01/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
落合恵子さんの推薦文と、海渡雄一さん(弁護士)の原案の日隈一雄さんの紹介があり、ちょっとかまえてしまいました。サルの社会性や自然界の弱肉強食を考える絵本。「自分」を生きるという意味を考えさせられます。けれど子どもたちに読むときは、受ける子の心にまかせていいのでは?ラストの言葉が子どもたちに「安心」を届けてくれると思います。2022/08/09
anne@灯れ松明の火
13
新刊棚で。初めに「本書をすいせんします」という落合恵子さんと弁護士・海渡さんの言葉。これを読んで、肩に力が入ってしまった。こういうのは後ろにある方が、予備知識なく読めて、いいのでは?と思った。ただ、後ろにも、「この絵本ができるまで」という後書きがあるので、仕方ないのかな。自然界は弱肉強食。サルを狙うヒョウを責めるわけにもいかない。でも、かわいい子どもたちを守りたい! 大人はどうすべき? 市居みかさんののびのびとして、明るい絵がいい。弁護士・日隈一雄さんの強い想いをこめた童話をもとに絵本化。2015/07/16
あおい
10
かわいい表紙だったので借りてみたら重い展開にビックリ。悲しい出来事を子供に伝えるべきか否か。隠しても知ろうとする気持ちは止められない。ちゃんと子供に向き合いその上でどうするすべきか考えなければ。2022/04/10
けいねこ
5
予備知識なしで読んだので、展開にびっくりしました。本当に守りたいものを守るためにはどうしたらいいかを、訴えている絵本です。こどもたちより、こどもを守るべき立場にいる人のための本だと思います。2015/12/16