内容説明
2011年3月11日に起きた東日本大震災後、人々が負った深い傷から血がふき出るように、数々の本が出版された。創作、ノンフィクション、写真、エッセイ、マンガ、俳句、短歌、紙芝居、また地震や津波、防災、エネルギーや放射能についての科学の本等々…。家庭文庫を30年以上主宰している著者が、子どもの本を中心とした3.11に関連する本を読みつづけ、「あの日を忘れない」ために300冊の本を紹介する。それらの本には、怒り、失望、悲しみ、命の重さ、人との絆の尊さなど、事実と共にさまざまな思いがうずまいている。あの日あの時のみならず、現在そして未来を考え、示唆できるブックガイド。
目次
第1章 絵本で伝える3・11(笑顔をとりもどすために;自然災害の脅威に向き合う(地震・津波) ほか)
第2章 児童文学からみる3・11(立ち止まって考える(創作童話・詩・エッセイ)
ノンフィクション ほか)
第3章 科学の本から3・11を検証する(地震・津波の本;防災の本 ほか)
第4章 マンガで読む3・11(マンガで伝える3・11;あの日からのマンガ ほか)
著者等紹介
草谷桂子[クサガヤケイコ]
静岡県生まれ。家庭文庫を主宰して33年。日本児童文学者協会、童話創作グループ「かしの木」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あん
82
私の住む静岡県で家庭文庫を主催する筆者が、『3.11後に子どもの本を媒体として、どんな人がどんな表現をしたかを記録することを目的』として作られた本です。本を読み震災について考えることや、忘れないでいることも、間接的に被災地への支援になると思います。当時幼稚園児だった息子も、震災のことはしっかりと覚えています。もうすぐあれから4年。紹介された300の本の中から、無理せず少しずつ目を通し、震災の記憶を風化させないようにしていければと思いました。2015/03/08
ベル@bell-zou
21
図書館の震災関連コーナーだけでも多数の書籍。途方に暮れた私がまず手に取ったのはこれ。本の本、作戦だ。絵本、児童文学、科学、マンガ別にフィクション・ノンフィクションなど多岐に渡り紹介。原発事故に絡み原爆関連本も切り離せない。“震災”と一口には言うものの、実に様々な側面の物語や問題があることがこの本一冊だけでも十分にわかり考えさせられる。気になった本がとても多いけれど時間をかけて少しずつ手に取っていこう…。【東日本大震災・あの日を忘れない】https://bookmeter.com/events/50742018/02/24
も
20
お気に入りさんの感想を見てこの本を知り手に取りました。震災から明日で4年。震災以降東北に目を向けているつもりではありますが、やっぱり自分の中でだんだんと記憶が薄らいでいくのを感じるいま、改めて震災を語った本と向きあう時間を持ちたいなと思いました。メモしながら読んで、見事に読みたい本が増えました。少しずつ読んでいきたいと思います。2015/03/10
あおい
14
東日本大震災に関する絵本、児童書、漫画や防災・原発の本など300冊が紹介されています。震災の本は心が痛むけれどあの日起こったを忘れないように読み進めていきたいです。2017/03/04
ろくべえ
11
〈公図〉★★★★★ 一般 300冊それぞれの本の紹介文が実に丁寧。「このブックガイドを出版することが私にできる東北支援」と著者がおっしゃるなら、このブックガイドで紹介されている本を丁寧に読み、丁寧に子供たちに手渡していくことが私にできる東北支援なのかもしれない。学校司書としては手元に置きたい1冊なので買います。2017/04/08