出版社内容情報
”私”、国家、歴史、神、セックス……全ては幻想である
第一部 自我論
・自我の精神分析、母の策術、現実喪失、自己分析…
第二部 歴史論
・時間と空間の起源、差別が人種を生んだ、アメリカを精神分析する、動議戦争、屈辱の連鎖としての歴史、アメリカの子分としての日本…
第三部 セックス論
・性的唯幻論、商品としての女、売る女たち、女の役割、性欲の発明、宗教と性文化、資本主義下の惨めなセックス、趣味としての性交…
内容説明
自我、歴史、国家、神、性…全ては幻想である。人類文化の全てを説明し尽くす透徹した思想を全1冊に凝縮。
目次
第1部 自我論(自我の精神分析;母の術策;現実喪失;母の立場 ほか)
第2部 歴史論(時間と空間の起源;精神分析は集団心理学である;差別が人種を生んだ;唯幻史観による歴史 ほか)
第3部 セックス論(性的唯幻論;男の性欲;文句を言い始めた女たち;商品としての女 ほか)
著者等紹介
岸田秀[キシダシュウ]
1933年、香川県善通寺市生まれ。精神分析の立場に立つ思想家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
7
600ページの大著なので拾い読みになりましたが、第1部自我論はとても面白かった。自己欺瞞をもつ母親に育てられたことで、強迫神経症になってしまった著者がフロイト精神分析の手法による自己分析で神経症を克服する物語は圧巻だ。自己分析は自己観察(内観、内省、反省)とは次元が違うもので誰でもできるものではなさそう。神経症を治しただけでなく、自己分析の果てにあの唯幻論を生み出した岸田秀は本当にすごい人ですね。2013/10/23
ボビーN
0
以前何冊か読んだことがある岸田秀だが、この本は彼が書いた短い文章が集められている。歴史観について書かれた部分が面白い。基本的に日米関係についての記述がメイン。現状の中国、韓国との関係について、著者だったらなんも言うだろう。2014/07/12
太刀河 抹茶
0
今から20年ほど前、著者のベストセラー「ものぐさ精神分析」周辺を散々読破、日本近代史を内的自己と外的自己に分裂した精神病とした説明に感服した。そしてそこに貫かれるのは、唯物史観ならぬ唯幻史観だ。ある程度、フロイトと近代史の理解は必要だが、氏の言説は首尾一貫している。たが。性倒錯に依拠するフロイト理論で世界が解題し得るのか疑問はある。ともあれ、フロイト理論を援用したエッセイとしては秀逸である。精神分析が歴史を解題する手法を否定するつもりもく、ある一面での理解に有用だと思う。2014/03/30
Kazuki
0
自我編だけ読みましたが、愛という言葉を用いて心理的な暴力を正当化する人々の様を具体的に示してくれていて、整理されていなかった思考が整理され、救われた気分になった。
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- 和書
- ゲゲゲのビビビ