内容説明
近年、ナチスドイツ/ヒトラーを題材にした映画が多数製作・公開されている。なぜナチスは観客の興味を惹くのか?プロパガンダにはじまり、戦争責任の追及、悪のイコン、表象不可能性の問題を経て、ナチス表象はいま新たな段階を迎えている。本書では、戦前から現代までのナチス映画をとりあげ、映像論、映画史、ドイツ史、キッチュ論など多角的な視点から、それらが人々を「魅了」し「熱狂」させる謎、周辺国や演劇などの他ジャンルにおよぶ余波、現在にいたるファシズムの問題を検証する。世界各国で右傾化、排外主義の波が起こりつつある現在、私たちはナチスの表象から何を学べばよいのだろうか。巻末には主要なナチス映画50作品のガイドを掲載。
目次
1 ETHICS‐REPRESENTATION(現代の映像環境とナチス映画―ゾンダーコマンドとヒトラーはどこを歩くのか;ホロコースト表象の転換点―『サウルの息子』の触感的経験をめぐって;キッチュで殺せ―ナチス・映画・小市民)
2 HITLER‐GERMAN STUDIES(ナチス時代のドイツ人;戦後ドイツにおけるヒトラーの表象―悪魔からコメディアンへ;ナチスVSニュージャーマンシネマ)
3 AFTERMATH‐OTHER COUNTRIES‐THEATER(石鹸と沈黙―イスラエル映画に見る生還者の表象;アイヒマンの同郷人―ピナ・バウシュとナチズムの影)
著者等紹介
渋谷哲也[シブタニテツヤ]
ドイツ映画研究。東京国際大学国際関係学部教授
夏目深雪[ナツメミユキ]
批評家・編集者。映画を中心に演劇やダンスなどについても執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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