出版社内容情報
人びとの葛藤をのせて、墓は海を渡る
「家より先に墓を建てろ」「人は借家住まいもできるが、死人の借り墓はできない」などといわれる沖縄で、人の移動に伴い墓はどのように動くのか?沖縄戦、米軍統治、本土復帰を経て、なお変容し続ける現代沖縄の生と死のリアリティに、墓の移動からせまる。
はじめに
[序章 生と墓]
一 本書の目的と論点
二 沖縄研究をめぐる政治性
三 新しい沖縄研究にむけて
四 本書の構成と調査の概要
[第一章 沖縄社会と祖先祭祀]
一 先行研究と問題点
二 「家」単位の祖先祭祀と日常的実践
三 沖縄社会の変容と祖先祭祀の継続
[第二章 世替わりと墓]
一 沖縄県の歴史と人の移動
二 都市化と墓──行政・経済との関わり
三 経済成長と墓
四 社会変容と墓
[第三章 墓を造るモノの変化]
一 戦後まもなくの造墓の変化──奥郷友会共同墓地を事例に
二 本土復帰後の造墓──宮城家を事例に
三 素材の変化と墓の概念
[第四章 墓と葛藤]
一 戦後の移動の波、復帰後の生活変化
二 移住者の生活と墓、位牌
三 墓の移動という選択と葛藤
四 祭祀の継続と故郷観
[第五章 骨の処遇]
一 遺骨の集合化と火葬の影響
二 遺骨の個別化と祖先
三 墓の移動に関する知識の所在
四 骨の処遇にみる死者との「親密さ」と祖先観
[第六章 新しい墓と祖先]
一 墓における表象と比喩──「故郷」「祖先」「家」をめぐって
二 墓の移動と幸・不幸──墓をめぐる災因論と祖先観の再考
三 墓の移動と祖先観の再構築
[終章 動き続ける墓]
一 墓とメモリアリズム
二 動く墓のメモリアリズムと創造性
参考文献一覧
あとがき
初出一覧
索引
越智 郁乃[オチ イクノ]
著・文・その他
内容説明
人びとの葛藤をのせて墓は海を渡る。人の移動とともに、墓はどう動くのか。沖縄戦、米軍統治、本土復帰を経て、なお変容し続ける現代沖縄の生と死のリアリティ。
目次
序章 生と墓
第1章 沖縄社会と祖先祭祀
第2章 世替わりと墓
第3章 墓を造るモノの変化
第4章 墓と葛藤
第5章 骨の処遇
第6章 新しい墓と祖先
終章 動き続ける墓
著者等紹介
越智郁乃[オチイクノ]
1978年、愛媛県生まれ。2010年広島大学大学院社会科学研究科修了。博士(学術)。専門は文化人類学、民俗学、沖縄研究。広島大学特別研究員、京都大学GCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成を目指すアジア拠点」研究員、福井大学産学官連携本部機関研究員、兵庫県立大学地域創造機構特任助教を経て、2016年より立教大学観光学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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