内容説明
生活誌からみた文化と心性。宮廷空間の王権とジェンダー、恋愛・結婚をめぐる儀礼、宴と政治の関係、あるいは占いと信仰など王朝びとの生活のありさまを『源氏物語』をはじめとする王朝文学はどのように描いているのか。性差や家、階級など平安朝の歴史的現実の中で生きた人々の営みを文学と歴史学の共同作業によって明らかにする。
目次
座談会 王朝の生活誌をどうとらえるか―歴史と想像力の交差する場へ(小嶋菜温子・倉田実・服藤早苗)
1 宮廷空間とジェンダー(童女御覧の成立と変容―平安王朝五節儀のジェンダー眼差し;『源氏物語』の後宮と密通 ほか)
2 恋愛と結婚(平安貴族の求婚事情―懸想文の「言ひ初め」という儀礼作法;『源氏物語』の結婚と儀礼―古注釈を手がかりに ほか)
3 宴の文化と政治(『源氏物語』と催馬楽―ハレの時空から性愛・結婚まで;『源氏物語』における酒宴と和歌―「少女」巻行幸の酒宴を中心に ほか)
4 占いと信仰(『源氏物語』と物忌;『蜻蛉日記』の火災記事と火災占 ほか)
著者等紹介
小嶋菜温子[コジマナオコ]
立教大学教授。日本文学
倉田実[クラタミノル]
大妻女子大学教授。平安朝文学
服藤早苗[フクトウサナエ]
埼玉学園大学教授。平安時代史・女性史・ジェンダー史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆの字
2
論集なので、学のない一般人の私には難しかった。曲水宴や物忌みについての論文は興味深く読めたけど、「源氏物語」やあの時代の文化や生活に興味がある、という理由だけで読みはじめたので、コレジャナイ感しかなかった。内容がどうこうではなく、私が読む本を間違えただけ。2022/04/30
那由他さん
0
学者による学者のための本。この分野好きだけど、一般人の私には読みにくい2013/10/20
金光 真佐一
0
好きなジャンルはさっさと読める…。とは言え、やはり、源氏物語から垣間見える平安時代の貴族の生活の様子をまとめた論文集なので、スイスイ読めるわけでもない。平安貴族の結婚など、まだわかっていないところのほうが多いこと、そして、その研究の材料として源氏物語という虚構の話が使えることに興味を持った。2013/08/18