内容説明
波涛を越え、荒野で戦う知略を駆使して乱世を生き抜いた房総の覇者。
目次
1 里見氏の房総進出とその活躍―永享12年(1440)~天文3年(1534)4月
2 義堯の登場と北条氏との攻防―天文3年(1534)4月~天文24年(1555)
3 義堯・義弘の活躍と上杉謙信―永禄3年(1560)~永禄10年(1567)8月
4 義弘・義頼父子と関東の争乱―永禄11年(1568)~天正9年(1581)
5 義康・忠義の苦悩と名族里見氏の滅亡―天正10年(1582)~元和8年(1622)
付章 里見氏のルーツと滅亡後の一族
著者等紹介
滝川恒昭[タキガワツネアキ]
1956年生まれ。國學院大學大学院博士前期課程修了。現在、千葉経済大学非常勤講師・千葉市史編集委員
細田大樹[ホソダダイキ]
1989年生まれ。早稲田大学文学学術院文学研究科修士課程修了。現在、里見氏研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翠埜もぐら
18
里見八犬伝のイメージが強くててっきり中世の話かと思ったのですが、考えていたより新しい時代の家だったのでちょっとびっくり。戦で滅亡ではなく徳川による改易でした。例によって資料不足のため里見氏の自出は良く判っていないのですが、鎌倉公方派で享徳の乱後安房に入府し、以後公方家をバックに千葉氏や後北条氏と戦っていくわけです。そして自称?関東管領上杉謙信の影響力の強さと、上杉をはじめとする大国のご都合主義に振り回される戦国期後半の里見氏の立ち回りが手に汗握って面白かったです。皆さん得意技は「手のひら返し」だものなぁ。2022/09/13
サケ太
16
戦国里見氏、といえば八犬伝以上のイメージがなかったため、こうやって図説で整理されるとかなりありがたい。里見氏のルーツからその滅亡、末裔たちの動向まで。やはり里見八犬伝の影響もあったのが面白い。2022/07/31
BIN
10
戦国期の里見氏について、肖像画や絵図などの図と文で解説されたものです。最近の研究が取り入れられていて、里見氏の発祥は上野だが、享徳の乱をきっかけに美濃から来たというのが新しい説。確かに土岐氏とかもいるし、説得力のある仮説。里見と言えば義堯ですが、意外とその子の義弘も北条軍を撃退していたりとなかなか強かったなど興味深かった。北条征伐に参加したのに秀吉には上総を奪われて所領を1/3にされたのは酷いものです。2023/07/29
フランソワーズ
6
里見氏である。古河公方、小弓公方の”副帥”として、のちに上杉謙信や「東方之衆」と結んで、江戸湾対岸の大敵北条氏と戦い続けた。やがて押し寄せる時勢の渦に飲み込まれ、転封、御家断絶の憂き目に遭った同氏を、文字通り「図説」や写真で紹介しながらも、決してエピソード等で逃げない、なかなか硬派な歴史一般書。2023/08/18
竜玄葉潤
5
扇谷や北条から歴史を読んでいると、敵役の里見だが、そっち側から読むと新鮮。2023/03/31