目次
序論 織田政権についての研究史と本書の課題
第1部 足利義昭政権論(足利義昭政権の構造;京都支配における足利義昭政権と織田信長政権;足利義昭政権における相論裁許と義昭の「失政」―伊勢神宮禰宜職相論の検討を中心として;補論 書評 神田千里著『織田信長』)
第2部 織田信長と足利義昭の政治・軍事的関係(織田信長と足利義昭の軍事的関係について;京都における織田信長の相論裁許と室町幕府;足利義昭政権滅亡の政治的背景;補論 足利義昭の蜂起と「天下静謐」をめぐる抗争)
第3部 永禄・元亀期における織田信長政権の京都支配(織田信長発給文書と義昭政権;京都文配における織田家奉行人の基礎的考察;京都支配における織田信長朱印状と織田家奉行人の政治的役割;織田信長発給文書の基礎的考察―武家宛書状・直筆の検討による一試論)
第4部 天正期における織田信長政権の京都支配(村井貞勝発給文書の基礎的考察;村井貞勝の政治的役割;村井貞勝の「下代」の政治的役割;補論 織田信長政権と守護制度)
結論 「天下人」織田信長と「天下静謐」
著者等紹介
久野雅司[クノマサシ]
東洋大学大学院文学研究科日本史学専攻博士後期課程退学。現在は、東洋大学非常勤講師・東洋大学人間科学総合研究所客員研究員を務める。専門は、日本中・近世移行期(戦国・織豊期)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
四不人
2
改めて読むと、膨大な史料整理には頭が下がる。2021/10/30
四不人
1
なるほど、神田千里さんの弟子なのか。論旨は明快でわかりやすい。ただ、結論には異論も。義昭政権が傀儡ではなく実態を備えていたのには異論がないが、ではなぜ「二重政権」である必要があるのか。義昭政権の実態があまり大したものではなかったからこそ、皆信長の副状を必要としたのでは。また信長の政治的目標が「天下静謐」であるというのも疑問。領土を増やす野望もなく将軍に尽くす、そんな戦国大名が家中をまとめられるだろうか。信長じゃなくとも他にそんな戦国大名が居るかあ〜というのが素朴な感想です。2020/07/03