内容説明
なぜ最高権力者であり続けたのか?武家となり、戦乱のなかで分裂をくりかえすも、中世を駆け抜けた九州を代表する名族。祭祀に携わらないにもかかわらず、支配を可能にしたメカニズムとは!?
目次
第1部 阿蘇社の成立と躍動する大宮司(中世の阿蘇社と阿蘇大宮司の成り立ち;中世前期の大宮司の動向)
第2部 大宮司家の分裂と南北朝内乱(功罪あわせもった十四世紀内乱;阿蘇氏と内乱の展開;内乱後期、二人の大宮司 ほか)
第3部 動乱の戦国時代と阿蘇(両大宮司家の統一とその実態;ふたたびの分裂と阿蘇家大乱;中世大宮司制の終焉)
著者等紹介
柳田快明[ヤナギダヨシアキ]
1951年生まれ。熊本大学大学院文学研究科修了。元熊本市立必由館高等学校教諭。現在、熊本中世史研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
46
火の国熊本を代表する古社、阿蘇神社。古代から続くその社家として、この地方に豊臣政権の九州侵攻で一度滅亡するまで、国人領主として肥後の歴史に大きな足跡を刻んだ阿蘇氏の中世を実証的に追った書である。聖俗両界に君臨する神聖な名家であると思いきや、南北朝の動乱を契機に分裂と内訌に陥り、時代の荒波に翻弄される他の無数の国人勢力と変わりはない。大友氏からの介入や島津氏の侵攻に際しては、当主の早逝が相次ぎ、幼主が他の社家、社僧たちにより豊臣政権の人質とされた挙げ句、一度は滅亡の憂き目を見る。神別の名家とて大変なのだ。2020/11/24
Fumihiko Kimura
2
決して解り易い史書ではないが、現下の史料状況でよくぞここまで、といった感。最後に「本能寺の変」という単語が出て、「ああ、ここら辺に繋がるのか」と感慨2019/03/17