内容説明
藤原秀郷の後胤として下野に盤踞。小山義政の乱・若犬丸の乱という鎌倉府との激戦を経て、群雄割拠の戦国の動乱を乗り切った波乱の歴史を鮮やかに描き出す。
目次
第1部 小山氏の成立と発展(小山氏の成立と分派;鎌倉期の小山氏;南北朝前・中期の小山氏)
第2部 小山義政の乱(乱の経過;乱の原因;南北朝期の都市小山と城館群)
第3部 小山氏の苦難(室町期の小山氏;戦国期の小山氏;中世小山氏の終焉)
著者等紹介
松本一夫[マツモトカズオ]
1959年生まれ、慶應義塾大学文学部卒。博士(史学)。現在、栃木県芳賀青年の家所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
6
藤原秀郷嫡流と称する小山氏とのことだが、戦国時代にはほとんど名を聞かないので、どんなものだと思っていた。鎌倉~室町前半までは結構他国にも領地をもつ有力守護だった。本書は小山義政や若犬丸の乱をメインで書かれていて、乱の経緯がよく書かれています。やはり足利義満期に有力勢力は削ぎ落とされているなという印象です。2023/09/28
さとまる
4
小山義政・若犬丸の乱を中心に、そこに至る小山氏の歩みやその後の小山氏が辿った道を記している。メインとなる義政・若犬丸の乱については、乱の契機や展開、その意義などが細かに解説されており情報量が多い。若犬丸の乱に関しては、若犬丸が主体となったと言うよりも、小山氏の次に討伐対象になった小田氏や田村氏が主体となって若犬丸を担いだという解釈は新鮮だった。2020/04/04
Toska
3
著者前書きにもある通り小山義政の乱がメインで、それ以外の時代についてはあっさり気味。しかし乱そのものについては、今まで知らなかったことばかりで勉強になった。鎌倉府体制が固まっていく上で、非常に重要な役割を演じた事件だったんですね。関東に興った大氏族と中央政府が手探りで関係を構築してく中、それに失敗して起きてしまった乱と言うべきか。隣接する宇都宮氏との小競り合いも、戦国期の国郡境目相論を先取りするようで興味深い。2021/10/24
長重
1
藤原秀郷流 小山氏が鎌倉を経て室町前期に隆盛したが、その力を疎んだ鎌倉府に潰されて、分家の結城氏から養子を貰って復興し、関東の大乱の果てに北条に巻き込まれて、大名として終わるまで。 宇都宮氏、小山氏、結城氏の関係性、名前だけ出てくる那須氏など、基本が無いと理解するのは難しい様に感じました(。-_-。)2021/08/13
かずさん
0
小山義政の乱、知らなかった…。2016/06/21