内容説明
墓場から甦った復讐鬼・醗酵人間とは何者か?!醗酵人間・九里魔五郎が巻き起こす奇想天外な怪事件!
著者等紹介
栗田信[クリタシン]
本名・栗田信(まこと)。1925(大正14)年生まれ。45(昭和20)年、東京薬学専門学校卒。化成品研究室勤務、薬局経営などを経て文筆業に。ノンフィクション、時代小説、現代小説、アクション・ミステリからSFスリラーまで幅広いジャンルの作品を発表した。83年没
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経てミステリ・SF評論家、フリー編集者。著書に『日本SF全集・総解説』『ミステリ交差点』、編著に『天城一の密室犯罪学教程』(第五回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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散文の詞
129
一言で言えば支離滅裂。 あとがきによれば、短編として発表したのをただ並べて長編としたようです。 何しろ話ごとに主人公が変わるので読みにくいのなんの。 でも、最初から短編集だと思って読めばそれなりに面白いです。 それにしても、醗酵とは! アルコールをちょっと舐めるとブクブクと膨らんでプカプカって。 いったいどこに行ったんでしょう?2024/11/27
HANA
57
醗酵人間は醗酵食品を食べたり悪の心が熟成されると、体が醗酵する怪人なのだ!!正直何を言ってるかわからないだろうが、書いている自分もよくわからない。冒頭こそ復讐譚なのだが、話は飛んで銀幕の殺人だったり醗酵人間の偽物が出たりする。その間、醗酵人間は膨れ上がって空を飛んだり怪力を発揮したりする。ストーリー自体がよくわからない上、醗酵人間の能力が読み終わった今もよくわからない。同時収録の「改造人間」も同様にわからない。LSDを使った人格改造なのだが、同様に明後日の方向に話は進む。でもこういうB級嫌いじゃない。2015/08/09
さっとる◎
41
気になっちゃうよねぇこのタイトル。何だよ醗酵人間て(笑)。海の彼方では復讐鬼ヨーグルト・マンと呼ばれる。墓場から甦った醗酵人間による復讐譚。なのかなあ、色々ぶれぶれ(笑)。前評判(?)よりは、あれ、意外とちゃんとしてるやん!と思いはしたのだけど。いやそうでもないか(笑)。「こけっか、きっきっ。ここまでおいで、甘酒進上」と笑い、こぼれたウイスキーをなめて十倍以上にふくれた身体で空を飛ぶ。その時の捨て台詞が「膨張係数の増加に比例して浮力が増大することは、小学生だって知っているぜ!」イカれてて憎めない本だった。2016/11/05
geshi
28
もの凄くデタラメな怪作。怪奇復讐譚っぽく書こうとしていても、ノリは完全にB級特撮モノ。一応の科学的説明を入れるけど、ほとんど少年漫画の解説レベルだし、早業変身や怪力を駆使し果ては空まで飛び出すトンデモなさ。全体としての整合性や風呂敷を畳む事など最初から考えずやり切っていて、バカバカしいのにどこか憎めない。『台風圏の男』なんて連作ミステリーとしてやっていたのに途中から主人公交代して、ぬけぬけと言い訳を語っちゃう始末だし。むしろ、この作品が本としてまとまったこと自体が事件だ。2016/10/31
miroku
23
戦後SF小説史上最大の奇書? いや、たんなるバカ本だ!2015/02/08
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