出版社内容情報
芳流閣の屋上から墜落した犬塚信乃と犬飼見八は、江戸湾をのぞむ行徳村に流れ着いた。そこで力自慢の大男、犬田小文吾との運命的な出会いが待っていた。信乃は孝、見八は信、小文吾は悌の珠をもち、いずれも牡丹の痣がある。三人は義兄弟の契りを交わす。罪人として追われる信乃を、我が家に匿う小文吾のもとに、相撲に負けた恨みを抱く山林房八が押し掛けてきた。窮地に立たされる小文吾。しかし、信乃を逃がすための、思いがけない秘策があった!
犬士たちの活躍と、その陰に隠された、犬士になれなかった者たちの思いが描かれる。
江戸時代に生まれた歴史エンターテイメントを、小説化したシリーズ第2弾。
内容説明
芳流閣の屋上から墜落―気がついたとき、犬塚信乃と犬飼見八は江戸湾をのぞむ行徳村に流れ着いていた。そこで、力自慢の大男・犬田小文吾との運命的な出会いが待っていた。追われる信乃を、我が宿屋に匿う小文吾のもとに、押し掛けてくる者たち…。窮地に立たされた犬士たちを救う、思いがけない秘策とは?原作のストーリーを忠実に再現しながら、現代のことばで読みやすく小説化しています。
著者等紹介
松尾清貴[マツオキヨタカ]
1976年福岡県生まれ。国立北九州工業高等専門学校中退後、ニューヨークに在住。帰国後、国内外を転々としながら小説を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
67
何だこれは、馬琴凄いな。まるでジェットコースター・ムービー。 絶対にお子様向きではない(人形劇化にこだわる)。 001みたいなのも出てくるし。石ノ森章太郎も八犬伝に影響受けてるのかなあ 全5巻の2巻目2024/06/10
きたさん
16
相変わらず展開が面白い。現代的、と言ってしまうのは違うのだろうけれど、まさにエンタメ小説といった感じで要所要所に盛り上がりポイントを入れているので、飽きることなく読み進められる。舞台が関東なので、知った地名がいっぱい出てくるのも分かりやすくてありがたい。ただ、テーマや時代を考えれば当然なのだけれど、人が続々と亡くなっていくのには若干引いてはしまうかなぁ。2022/10/18
マツユキ
10
三章「いなかの、じけん」。芳流閣から川に落ちた信乃と見八は、宿屋の老主人、文五兵衛に助けられ…。老主人の息子、小文吾と、娘婿の房八の間にトラブルが…。ここまでは栗本薫さんの児童書でも読んだ内容。 四章「怪談」。故郷に帰った信乃は、漁師、 矠平から、荘介が、主人殺しの濡れ衣で捕らえられた事を知らされる。 戦乱の時代で、自らの過ちもあり、思い通りにならないけれど、心根は真っ直ぐに…。正しいんだけど、悲しい家族が次々と。助かって!と思いながら、次巻です。犬士が5人…。忘れないうちに…。 2021/07/08
まえぞう
10
第2巻で犬士6名が現れました。ここまでは原作に忠実なようです。それにしても馬琴さん、江戸の昔によくもこんなに絡まった物語を創作できたものですね。一杯に張った伏線をどう回収していくのか、今から楽しみです。2019/05/26
伊瀬有佐
4
名詮自性。伏姫と八房の因縁に絡め取られた人々の話。6犬士が揃い、残り2犬士だが、出会うまでには困難がまだまだ待ち受けていそう。不穏なところで終わったし……あの一家には無事でいてほしいんだけどなぁ。2020/01/13