出版社内容情報
戦に命を散らした若者、母熊を失った子熊、切り倒された木々・・500歳のミズナラの樹が、その身に起こった出来事を物語る。主人公は、500年の長い歳月を生きてきた、1本のミズナラの樹。「昔々、私が権轟山の麓に生まれてから今日までこの目で見た、さまざまな出来事の物語でございます。その昔、隻眼の悲しい目をした世捨て人が、私のそばに庵を編みました。私の前で、勇敢に命を散らした若武者もおりました。船大工の辰吉も、山の少女ツキも、思えば哀しい心を抱いた人たちでした。母熊を失った子熊の哀れな鳴き声や、子を捨てた母親の嘆きの声は、今もこの耳に残っております。荒らされた山、汚された川、そして切られた木々、私の体には悲しみが刻まれているのでございます。年輪の一本、一本に・・。」ナチュラリストとして知られる著者が紡ぐ、母なる樹の物語。
C・Wニコル[シーダブルニコル]
著・文・その他
佐竹 美保[サタケ ミホ]
イラスト
内容説明
悲しい目をした世捨て人、戦に命を散らした若者、木と対話のできる山の少女、母熊を失った子熊、そして切り倒された木々…権轟山の麓で、達磨岩に護られ、白糸川に育まれた、五百歳のミズナラの樹が、その身に起こった出来事を物語る。
著者等紹介
ニコル,C.W.[ニコル,C.W.] [Nicol,C.W.]
1940年、英国南ウェールズ生まれ。95年、日本に帰化。英国女王より名誉大英勲章を受勲。ナチュラリストとして長野の黒姫山の森を護り、ウェールズ地方の森林保護運動と連携して「(財)C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立
佐竹美保[サタケミホ]
挿絵画家。SF、ファンタジーなどの分野で多くの作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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