内容説明
モダニズム短歌の頂きをなす伝説の歌集『シネマ』で颯爽とデビューし、エスプリに満ちた瑞々しい歌で時代を駆け抜けた歌人、石川信雄。退色した原稿用紙として発見され、今回初めて世に出る『紅貝抄』を収める。没後60年の節目に明らかになる稀代のポエジイ・タンキストの全貌。
目次
『シネマ』
『太白光』
『紅貝抄』
歌集未収録歌
戦地からの手紙
解題
著者等紹介
石川信雄[イシカワノブオ]
歌人、翻訳家。埼玉県出身。1908年、石川組製糸分家の長男として出生。第二早稲田高等学院・早稲田大学政経学部在学中に植草甚一らと英語劇に熱中し、文学に傾倒する。30年に筏井嘉一らと「エスプリ」を創刊。続いて「短歌作品」と「日本歌人」の創刊に参画。大学中退後、36年に第一歌集『シネマ』を刊行し注目を集める。同年に父が他界し、文藝春秋社に就職する。39年に応召。第五一連隊から江蘇省に派遣され、翌年支那派遣軍総司令部報道部に転属する。汪兆銘政権下の南京で、草野心平と中日文化誌「黄鳥」を発行。61年「宇宙風」短歌会創設。64年死去
鈴木ひとみ[スズキヒトミ]
京都市出身。石川信雄の姪。同志社女子大学卒業。ミネソタ大学、筑波大学大学院人文社会科学研究科、立命館大学大学院先端総合学術研究科で学ぶ。ヘイルストーン英語俳句サークル同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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