感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
43
2023年に亡くなった石田柊馬の川柳とその評論をまとめた本書。これからも何度も開くと思うので、「読んでいる本」から解除しないままにしておく。なつかしさを呼ぶ「高齢者と呼ばれナスカの地上絵よ」「縄文の空気が少しある小芋」「その杉は恥ずかしそうに喋り出す」「改札を抜けると痒くなる小指」「ふりがなにサフランと書く永訣なり」「たのしみはごろんと来るぞ明日だぞ」などの句を残しておく。評論はすでに雑誌で読了済のものが3つ。再読すると、以前と同じところにうなずいたり、また違う箇所が心に響いたり。だから、また読もう。2025/04/06
kentaro mori
2
⚫︎老い。死。枯れてゆくいのち。枯れてゆくエロス。いのちの午後。一人の俳優の死。蝉に見るいのち。忘れている死。老いと死、の個別な自覚。川柳はダジャレであれ、日常生活のひとこまであれ、エロであれ老いであれ死であれ、ひとの思いの受け皿である。自己のいのちを書きとどめることのできる川柳。くりかえして言えば、バレ句であれ、生活詠であれ、川柳は「いかで過ぐべかりける」を書ける文芸なのである。⚫︎およそ言語空間に人間が言語をもって作品をかたちづくる以上、作品は人間と直結したものなのである。そして断固として人間は感情2025/11/27
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