韓国文学の源流 短編選<br> 失花

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韓国文学の源流 短編選
失花

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  • サイズ 46判/ページ数 350p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863854185
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

内容説明

モダニズム作家、李箱の遺稿で、死後に発表された『失花』。妻の死後、中国を旅し、華やかな都会の中の孤独をアイロニーをこめて描いた『ハルビン』。日本にいられなくなり新しい生活を求めてやってきた澄子と、雑誌社に勤めながら小説を書く作家との愛の逃避行『冷凍魚』。思想犯として投獄された男に本を差し入れ、一時釈放を待つ女。しかし住む家まで用意したのに男は迎えにきた父と帰郷してしまう『経営』。変わりゆく農村を舞台に土とだけ向き合って生き、すべてを失ったあと自らの命を絶つ父。帰郷し田んぼに出てはじめて父の思想にめざめる『土の奴隷』。妻とその女友だちとの交流を通して男と女の不可解な感情とすれ違いを描いた『秋』。

著者等紹介

李箱[イサン]
1910‐1937。京城生まれの詩人、小説家。本名、金海卿(キム・ヘギョン)。京城高等工業学校を卒業し、朝鮮総督府建築課で技手として働くかたわら、30年に発表した長編小説『十二月十二日』で作家活動を開始した。33年に朝鮮総督府を辞職して喫茶店の経営を始め、妓生の錦紅(クモン)と同居生活を送る。34年には文学同人「九人会」に参加し、『朝鮮中央日報』に詩「烏瞰図」を連載するが、難解だとの抗議を受けて打ち切られた。36年、「朝光」誌に掲載された短編小説「つばさ」が一躍脚光を浴び、モダニズム作家としての地位を確立。同年、東京に渡る。37年に思想犯として日本の警察に逮捕され、持病の肺結核が悪化して保釈された後、同年4月17日に死去。東京で書かれた「失花」は、死後に遺稿として発表された

李孝石[イヒョソク]
1907‐1942。江原道平昌郡珍富面(カンウォンド・ピョンチャングン・チンブミョン)に生まれる。号は可山(カサン)。京城第一高等普通学校を経て、1930年京城帝国大学法学部英文学科を卒業。1931年日本の恩師の口利きで朝鮮総督府警務局検閲係に一時就職するも、良心の呵責と周囲の非難により一カ月足らずで退職する。その後は妻の実家のある、咸鏡北道鏡城(ハムギョンプクド・キョンソン)に移り鏡城農業学校で英語教師、後に平壌の崇実(スンシル)専門学校教授として赴任する。高等普通学校在学中の1925年「毎日申報」の新春文芸に詩「春」が選外佳作となるが、大学在学中の1928年雑誌「朝鮮の光」に短編「都市と幽霊」を発表したのが正式な文壇デビュー。30代前半がもっとも執筆活動が盛んな時期で、短編「山」「野」「柘榴」「ひまわり」など、毎年十作以上の短編や散文を発表していた。1940年妻に先立たれ、ほどなく幼い次男まで亡くすと、失意のうちに満州などを転々とする。そのころから体調を崩し、1942年脳膜炎を患い35歳の若さで夭折する

蔡萬植[チェマンシク]
1902‐1950。全羅北道沃溝郡臨陂面(チョルラプクド・オックグン・イムピミョン)に生まれる。号は白菱(ペンヌン)など。1914年臨陂普通学校卒業後、1918年に上京し、京城の中央高等普通学校に入学。在学中の20年に結婚し、22年に卒業。同年、日本に渡り早稲田大学付属第一早稲田高等学院文科入学。だが23年9月、関東大震災に遭い朝鮮に帰国、そのまま日本に戻ることはなく学籍は除籍となる。その後、私立学校の教員として勤務し、そのころから小説の執筆を始め、25年には東亜日報社に入社し記者になるが、一年あまりで退社。その後も開闢社、朝鮮日報社などを転々とする傍ら文筆家として執筆活動を続ける。36年以降は職につかず、創作活動に専念し、45年郷里の臨陂に帰郷し50年に肺結核で永眠。小説家としては短編「新しい道へ」が「朝鮮文壇」3号(24年)に掲載されて文壇デビュー。その後、数多くの短編、長編を執筆するが、小説の他、戯曲や評論、随筆などその作品は多岐に渡る

金南天[キムナムチョン]
1911‐1953?平安南道成川(ピョンアンナムド・ソンチョン)生まれの小説家、文学評論家。本名、金孝植(キム・ヒョシク)。29年に平壌高等普通学校を卒業後、日本の法政大に入学。朝鮮プロレタリア芸術家同盟(KAPF)東京支部に加入し、会誌「無産者」の同人として活動した。31年に帰国。同年、KAPFの一斉検挙により起訴され、実刑判決を言い渡された。出所後、服役中の経験を基にした短編「水」(33年)など、社会主義的リアリズムを追求した作品を発表。日本の植民地支配からの解放直後、「朝鮮文学建設本部」の結成において中心的役割を担い、46年には「朝鮮プロレタリア文学同盟」と統合した「朝鮮文学家同盟」の発足を主導した。47年ごろ北に渡り、最高人民会議代議員、朝鮮文学芸術総同盟の書記長などを務めたが、53年ごろに粛清されたと伝えられている

李無影[イムヨン]
1908‐1960。忠清北道陰城(チュンチョンプクド・ウムソン)に生まれる。本名は李甲龍(イ・カビョン)。1925年、高校を中退して日本へ渡り、成城中学に入学後、加藤武雄の門下生となる。1929年の帰国後は教員や出版社の社員、雑誌社の記者などを経ながら執筆を続け、1931年に『東亜日報』の戯曲懸賞公募で「真昼に夢見る人々」が当選、1932年には『東亜日報』に中編「地軸を回す人々」を連載し、作家としての真価を発揮し始める。1933年、文芸誌「文学タイムズ」(のちの「朝鮮文学」)を創刊するかたわら、文学同人「9人会」会員として活動。1935年、東亜日報社学芸部の記者となるが、1939年には軍浦の近くにあった宮村(クンチョン)に移り、自ら農業に携わりながら農村小説を書く。主な作品に『青瓦の家』(1942-1943、朝鮮芸術賞)などがある

池河蓮[チハリョン]
1912‐未詳。慶尚南道居昌(キョンサンナムド・コチャン)に生まれる。本名は李現郁(イ・ヒョヌク)。1940年、雑誌『文章』に「決別」を発表し作家となる。仁川(インチョン)にあった昭和女子高等学校卒。KAPF(朝鮮プロレタリア芸術家同盟)の指導者であった林和(イム・ファ)の妻としても知られる。1945年8月15日の光復後は朝鮮文学家同盟に加担し、1947年に夫婦で越北するまでに多くの作品を発表した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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かもめ通信

20
書肆侃侃房の「韓国文学の源流 短編選」は、古典作品から現代まで、その時代を代表する短篇の名作をセレクトする全10巻刊行予定のシリーズ。第1弾として刊行された本書にはシリーズでいうところの第3期、1940年前後に植民地朝鮮で朝鮮語で執筆・発表された中篇・短編小説6篇が収録されている。読み応えたっぷり。一冊でいろんな味が味わえるだけでなく、巻末の年表によって、時代の流れや日本文学の動向との比較ができるのもこのシリーズのいいところ。続刊の刊行も楽しみ。 2022/06/01

崩紫サロメ

14
表題は李箱の遺作(1939年)。詩的断片とも言える難解な短編。李箱に関心のある人なら、『李箱作品集成』等、他の作品と合わせて読み直した方がいいかもしれない。本書の魅力は1940年前後の朝鮮文壇を見渡せるように編集されているところ。蔡萬植、金南天、李無影、池河蓮など、まさに現代韓国文学の源流と言える作家の短編が解説と略歴付きで紹介されている。蔡萬植の「冷凍魚」は朝鮮(植民地)の男性と日本(宗主国)の女性の2つの強弱関係が巧みに描かれた中編で、一番印象に残った。2021/02/11

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