目次
猫が来ました
光をとほす
ナルニア
しろねこのゆめ
世界のいちぶ
行く春や
白猫倶楽部
ヤマモモを踏む
竹の里にも
ベリィベリィ〔ほか〕
著者等紹介
紀野恵[キノメグミ]
1965年徳島生まれ。高校生の頃より短歌を作り始める。「七曜」「未来」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
28
p7 猫が来ました #短歌 午後三時までの時のま英国の紅茶に限るなど長談義 足もとに縺(もつ)れてをるは畏くも天(あめ)より降(くだ)り来ましし白猫(はくべう) めづらしき南の雪がまろまろとこどものりやうてにて運ばるる p8 光をとばす つま先がかき分けていく草の海零(したた)るる罪のやうな花粉が p15 しろねこが呼びにくる朝世界には希望の澱(おり)と言へど未だ在る p19 万能のカモマイルティくださいなぼくにんげんにすこしつかれた #説明歌 ふりがなで著者によらないもの予想ごめんなさいね外れていたら2017/11/08
qoop
6
〈言葉としては通じていないが、心を通じている(と信ずる)〉と猫に語りかける著者が詠む歌には、確かに迷いがない。明瞭で直線的で、しかし含みの多い広がりのある歌。人に対しても猫と同様の態度で語りかけているのかも知れないな、と。/新しき庭には心穏やかにするハーブ植ゑ隙間なく植ゑ/しろねこが呼びにくる朝 世界には希望の澱と言へど未だ在る/大切のエアコンディショナーとうたらりとうとうたらり夏は夏ぢゆう/"将来はひらけていくのですから"と冬至の神か誰かが言ひし/好男子(歩く財産)愛在ると思ひ込むこそ春のをとめご2021/05/02
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5
まさか2017年に紀野恵の新しい歌集が読めるとは思わなかった。優雅な言葉遣いは健在。以下引用。クロッカスやや不良なるおこなひの神族の名のやうで芽吹けり/角部屋の海は決して見えぬ窓せめてひかりがあふるるやうに/追憶のマルベリィの実の崩れつつほんたうはいつもしあはせなのだ/夕ぐれは美文読みたきかをりくるリンデンバウム森林太郎/夜を遊ぶ賑やかな水 羽ばたきとウィンク忘れ去つたりしない/白い花降らせてみよう誰も居ぬ前庭に地に地球のうへに/ひまはりのうらがは 夏は往かむとしさいごに乾くコットンドレス2017/07/27
yumicomachi
3
自在であり、高貴で純粋、芯が強くそれでいてやわらかい、まさに白猫のような歌集。 〈万能のカモマイルティくださいなぼくにんげんにすこしつかれた〉〈弾くためのピアノひたすら置かれゐるあかるい二階いと遙かなり〉〈とことことわたしの猫があんぜんに歩いて暮らす まあよいでせう〉2018/03/07
mick
3
装丁が可愛く綺麗。猫の歌ばかりではないが、猫と暮らし始めて大きく変わった著者の意識が色濃く出た作品か。2017/11/16
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