出版社内容情報
小説と翻訳と短歌を中心にした文学ムック
「たべるのがおそい」はじまります。
わたしたちは誰もが重力というものに支配されています。
「たべるのがおそい」は、その重力を少し弱めてみたいと思っています。
読んでいるあいだ、少し動きやすく、歩きやすい、
それがこの一風変わったタイトルの文学誌の目標です。
西崎憲
Vol.2
2016年10月刊行
掲載内容
■巻頭エッセイ
金原 瑞人
■特集:地図-共作の実験
石川 美南×宮内 悠介
円城 塔×やくしまるえつこ
西崎 憲×穂村 弘
■創作
大前 粟生 津村 記久子 森見 登美彦 四元 康祐
■短歌
今橋 愛 岡野 大嗣 瀬戸 夏子 吉野 裕之
■エッセイ
倉本 さおり 中野 善夫
■翻訳
ヤン・ヴァイス 阿部 賢一・訳
アンナ・カヴァン 西崎 憲・訳
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
66
文学ムック二冊目。アンナ・カヴァン目当てで買ったのだけど森見登美彦や円城塔と豪華執筆陣の上、その他の小説も面白いものばかりで嬉しい事この上無い。カヴァンの「カウントダウンの五日間」は何時もの神経症的な部分は無かったが、世の終わり世紀末的な部分が表に出された感じ。もうカヴァンを読めるってだけでありがたい。森見登美彦はいつもよりファンタジックだし、大前粟生「回転草」は映画と現実の二重写し。余談だけどこの前の京都文学フリマに出版社さんがブースを出していて、読みどころとか色々教えてもらう事が出来たのはありがたい。2017/01/24
なゆ
64
おおおおお、今度は津村さんがっ♪ということで。追っかけする4人の女子、そのファン心理のエネルギーを%という数字で表し、その変化やなんやをあれこれ思う話。こういうグループにはありがちな、実は目的が全然ずれてるという可笑しみを的確にうまいこと描いてるな~と。しかも、実業団陸上しかも走高跳というシブイところをもってくるあたり、さすが津村さん。あとは森見さんの『チーズかまぼこの妖精』が楽しかった。チーかま色のファンタジーって感じで。あと、普段目にすることのない短歌に触れることができるのも、なかなか味わい深い1冊。2017/02/03
KI
32
たった100年違ったら、たった1光年離れていたら、出会うことはできない。2019/12/03
有理数
22
文学ムックの第二号。個人的に、創刊号よりもずっと「面白い」作品が並んでいた。津村記久子「私たちの数字の内訳」素晴らしい。爽やかな幕切れだが、語り手の穏やかさにそう思わされただけで、実は途轍もなく恐ろしい話だったのでは……? という、後を引く具合がよい。森見登美彦「チーズかまぼこの妖精」ちくしょう、やられた。他、アンナ・カヴァンの掌編も堪能した。特集「地図――共作の実験」はどの辺りが共作なのか判断がつきかねた(私がわからないだけ)が、皆よかった。美しいイメージとSF、幻想の結晶。2017/05/28
橘
18
たべるのがおそいvol.2をようやく。毎回わたしもたべるのがおそいですが、面白かったです。今回の特集の「地図ー共作の実験」、津村記久子「私たちの数字の内訳」、森見登美彦「チーズかまぼこの妖精」、アンナ・カヴァン「カウントダウンの五日間」が好きでした。森見さんのお話はかわいい。短歌も面白かったです。2018/08/11
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- 和書
- 定本「一人ごっつ」