内容説明
長い歳月の村の推移が語られ、村びとの息遣いが感じられる『ブロンズ・芳蔵記』。隣村「星野鉄砲隊」の史実をヒントに描いた『応変隊異聞』。風、光、水を呼ぶ詩のかずかず。日常の瞬間を鮮やかに切り取ったエッセイ。詩、エッセイ、小説…福岡県の奥八女山峡の地で教職生活をおりなしながら綴った珠玉の作品集。
目次
詩抄―風の在処
さつま望遠鏡
杣の里 むかしむかし
愛樹祭
旅にて
天狗笑の作家顕彰
西郷さんは吊り鐘をよろこんだのか
父の譜
応変隊異聞
ブロンズ・芳蔵記
著者等紹介
椎窓猛[シイマドタケシ]
昭和4年(1929)年9月28日生まれ。父均の小学校教師勤務の都合、矢部、日出小へ転校後、昭和17年県立八女中学へ。そのあと福岡第一師範本科卒業、小学校教師として勤務転々、この間、福岡教育センター歌はじめ、福岡県下幼稚園、小、中、高校あわせて15校の校歌も作詞。詩、童話、小説などの創作活動も―。矢部村教育長時代、“ふるさと創生”の一部を基に「世界子ども愛樹祭コンクール」を創始、24回を重ねるが、現在、特別相談役を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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でろり~ん
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良い本でした。ふむふむ、登録者はゼロ。福岡の出版社ですね。タイトル買いした本でしたが、色々と感じさせられました。こうした人生を生きる人。文学というものの正体など分かるはずもないのですが、確かな散文が収められていて満足でした。時代が持つ文化、場所が所有している文化。どちらも確かなものであり、地方による差がなくなったといわれる日本でも、いまだに残っているものなのかもしれません。青嵐とは青春の力強さを自ら感じて題したものか。「西郷さん…」には松本清張「西郷札」との同根を感じさせられ感慨深かった。トポスの力堪能。2016/11/15
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