目次
1 手のひらが小さい人のためのエチュード(雪とチョコレート;トロイメライ;Blumenlied花の歌;くしゃみの色;オクターブ未満;Moderato 少しくらい速くても遅くてもいい;鍵のない窓;D.C.)
2 L’ensemble des dissonances(やさしいぴあの;葬送)
3 ドルチェ、モルト・エスプレッシーヴォ。(つま先立ちのトッカータ;シンコペイテッド・ラヴァーズ;ミッドサマー・ドリームland&sea;貴婦人になれないside A/side B;青と銀と金の夜想曲)
著者等紹介
嶋田さくらこ[シマダサクラコ]
1975年滋賀県生まれ。95年京都府立大学女子短期大学部国語科卒業。ファッションアドバイザーとしてアパレル会社勤務後、家業の洋品店を継ぐ。2005年に洋品店を廃業し、新聞販売店へ転業。10年1月に作歌を始める。11年9月から「短歌なzineうたつかい」を企画し、編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
155
柔らかな手のひらに触れて恋ははじまる。外はあたたかな雨。愛は流れて響きあい、哀しみを奏でている。ここでしか逢えない花と思うから、愛されたまま離れたい。振り返るともう遠い背中。夜の階段を降りるとき、見えた月あかり。夜でも虹がかかればいいのに。この町の空は小さい。寝そべって探している。いつもより少し強く瞬く星を。また雨が降るのだろう。新しい恋を始める夜、何処かからやさしいぴあのが聴こえては消えてゆく。夜明け前、鳥はまだ眠っている。軽くなった気持ちをまた温めなおそう。春になりたい。咲いて咲いてやさしくなりたい。2022/03/19
masa@レビューお休み中
126
なんてやさしい恋のうたなんだろう。まさに、やさしいぴあののような、うつくしい言の葉が並んでいる。あるときは、愛しい人を想い胸を焦がし、またあるときは、あったかい恋のぬくもりを感じ、またまたあるときは、終わった恋の余韻に身をあずけたり…。恋というものは、ひとつとして同じものはない。だからこそ、自分と同じ感性の恋のうたを、みんな探しているのかもしれない。やさしいぴあのは、どこかなつかしい恋の欠片を集めた歌集です。やさしい旋律に笑みをこぼしてみてください。そして、涙もこぼしてみてください。2014/10/27
kaizen@名古屋de朝活読書会
58
#嶋田さくらこ #短歌 >(大なり)でも<(小なり)でもいい=(イコール)は奇跡みたいで怖くなるから。 日溜まりに置いてみようか やわらかくなるまで待てば解ける数式。 #返歌 >(大なり)も<(小なり)なりたたたないと=(イコール)という名前で呼ぶ式。解けないで数式弄り一時間日溜まり昼寝解く夢を見る2016/11/17
nonたん
39
好きすぎる。何だかもう好きすぎる。嶋田さくらこ、好きですホント。「やさしくてすこし寂しい歌きいて涙浮かべる きみにあいたい」2014/06/28
怜
34
やわらかいことばでこころに寄り添うような歌集。風景が見える歌というよりも、心が見えるような歌だと思う。これから短歌を始めようというひとにもよいかもしれない。2015/02/07