出版社内容情報
黒人ジムとハックルはミシシッピ川を下る途中様々な事件に出会う。永遠の子ども像を描いて評価の高い古典的名作の完訳版。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
273
『トム・ソーヤー』の続編だが、本書には随所に新しい試みがなされている。その成功の最たるものは、物語の語り手をハックルベリー自身とし、彼の視点から情景と人物を捉えたことだろう。上巻では川がアメリカ南部の光景を映し出していたが、この下巻では様々な人物たちに焦点が当てられている。ことに二人の詐欺師を配することで、周辺の普通の人々の気風を浮かび上がらせる手法は鮮やか。また、奴隷制に対してもハックの煩悶として現状を描き出したことも、やはり一人称語りゆえのものである。なお、トムの登場から以降はやや無理があるようだ。2015/12/12
やじ
17
蒸気船にいかだを真っ二つにされて、ジムと離れ離れになるハック。どこへ行っても口から出まかせ言って自分の身の上語るのすごいわ。寝たら偽の名前を忘れて、そこの子に「俺の名前の綴り書けるか?」と聞き出すのもうまいわ。家同士の争いに巻き込まれたり、詐欺師から逃げたり、本当に大冒険でした。終わりに近づきアイツが出て来て面倒くさくなったけど、面白かった。この時代に行ったら現代人はひとひねりだわ。奴隷制度はもちろん酷かったけど、現状の不満を黒人差別にすり替えて店を破壊、強盗、放火する人達はくるってる。2020/06/29
けろ
2
後半トムの登場以降、荒唐無稽。2018/08/14
四季
2
トムはまるでドン・キホーテのようだ。やろうと思えば簡単にできることを、本の中の人物がやるように本式の方法でやろうとする。トムにかかればジムの脱走もごっこ遊びに成り果てる。つまらない日常を工夫して刺激的な遊びを生み出すのは大人では決してできないことだ。2015/06/03