目次
第1章 承認をめぐる闘争としての“共生”(“共生”の限界状況;存在を否認されること―ホネットの承認論 ほか)
第2章 “共生”の新しい可能性条件(脱統合を前提として;リスク社会と再帰的近代化 ほか)
第3章 包摂と“共生”は可能か(社会的包接へ向けて;社会的結束の回復は可能か―「共生社会」の意味 ほか)
第4章 存在論的不安と安心のパラドクス(存在論的不安を乗り越えて―キルケゴールからギデンズへ;「居場所」と安心 ほか)
第5章 居場所と哲学すること(居場所の哲学、驚きの哲学―ルカーチ、ハイデガー、九鬼周造;“人間”と権力―フーコーの「生権力」と「統治性」 ほか)
著者等紹介
表弘一郎[オモテコウイチロウ]
1970年大阪府生まれ。2003年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程修了、博士(経済学)。現在、同志社大学嘱託講師、中部大学・大阪経済法科大学非常勤講師。専門は社会思想史、社会哲学、偶然性とリスクの社会理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えむ
1
社会思想史研究者による個性的な大学生向けテキスト。「共生」という観念について、様々な思想家の言説を参照しつつ考察が展開される。フランクフルト学派など、著者の専門を中心にしつつも、広い領域からの参照がなされていて、参考になる部分も多かった。2018/08/18
brzbb
0
<共生>は、「お互いの文化を尊重して棲み分けましょう」というような考え方では実現できない(ドイツやイギリスの「多文化主義の失敗」)、社会のなかで断絶や分裂があれば、それは社会全体のリスクになる、という点が興味深かった。2014/01/09