内容説明
本書で紹介するマルチセンソリー・ストーリーテリングは視覚・聴覚・触覚・運動といった多感覚に訴えることで、障害のある子供たちを含めて色々な人にお話の面白さを伝えることができる手法です。特別支援学校、高等学校通級指導、小学校外国語活動、幼稚園での手話によるお話活動など、ストーリーテリングの実践例のほか、お話を語ってみたいと願う人たちのために、基本のスキルやおすすめのお話も豊富に掲載しています。
目次
第1部 実践の背景:ストーリーテリングによる学びと育ち(ストーリーテリングの普遍性;多感覚に訴えるお話を共に楽しむ大切さに気付く道のり;発達の視点からみた障害のある子供との語り;ことばの力を育てるために;ストーリーテリングでインクルーシブ教育を目指す)
第2部 教育における実践事例(特別支援学校小学部での実践―「世界一おいしい野菜スープ」で食育;特別支援学校高等部の自立活動での実践―「モリー・ワッピィ」の語りとその後;「高校通級」で活用できるお話の力;手話による読み聞かせと語り;小学校外国語活動における実践―『小さな子ガモ」;自分の思いや考えを綴る(語る)活動―「高校通級」での取り組み)
第3部 あなたも語り手に!(始めてみよう―言葉あそびとお薦めの小さいお話;レパートリーを広げる―繰り返しのあるお話、障害理解につながる様々なお話;お話のある心豊かな生活へ)
付録 お話集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鳩羽
5
ストーリーテリングを特別支援教育に取り入れていくことで、どんな良い効果が得られるのか。実際に小学校の授業や高校の通級で行われたストーリーテリングやその手法を使った実践レポートを中心に、マルチセンソリー・ストーリーテリングの紹介する。オノマトペや身振り手振り、小道具を使って分かりやすくし、ストーリーも聞く対象に合わせて編集する。フィクションの持つ力にできるだけ同調し、自己肯定感を高めたりエンパワメントを得られるようにするため、理解の障害となるものがなくなるように配慮することが大切と分かる。2024/02/09