感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
52
アメリカ人緊縛師が記した日本の緊縛の歴史について。驚くほど詳細で、日本の緊縛についての尊敬に満ちた書だった。江戸時代の捕縛術から始まり月岡芳年の無残絵・伊藤晴雨の責め絵によって育まれ戦後も幾人もの優れた人材によって磨かれてきた緊縛アート。そこには縛る方も縛られるほうも相手に対する愛と信頼が不可欠という意外な結論に。本書でも紹介されている濡木痴夢男氏の本にあったが「相手の女性を暴力的に扱ったり無理やり縛る輩がいるがそんなものは緊縛の理念からは遠く冒涜だ」サディストにはフェミニストが多いそうだが、納得。2016/10/04
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26
「緊縛の文化史」という題と合致した内容。本文中の情報がかなり精査、検討されているため本当に質が良い本となっている。主として文化の一形態としての「縄で縛る」という行為について、江戸時代の罪人への捕縛術としての緊縛から近代における"Erotica"としての緊縛の文化の流れの解説。緊縛自体の歴史的な流れと、緊縛受容の歴史の流れが分けてあり理解し易く、一冊読めば緊縛の歴史、文化が把握できる。また緊縛を扱った映画、書籍などの紹介もあり緊縛文化についてこの本を足掛かりに個人でさらに理解を深める事が可能となっている。2015/03/19
ふろんた2.0
18
文化史というだけ合って、歴史的な背景まで書かれている。江戸時代の捕縛については、身分や罪状によって縛り方が異なるとは。単なるエロ本としてではなく、技術として美としての日本独自のアートとしてとらえる。巻末には緊縛の作法もあり、興味本位で真似ることの危険性を指摘。今まで持っていたイメージを覆す好著。ちなみに、電車の中で読むには最初の3分の1は大丈夫。それ以降はちょっと気をつけたほうがいいかも。全部、電車の中で読んだけど。2015/05/12
ハパナ
5
この本を会社で読むという、ある種の縛りプレイ2019/05/20
tyfk
4
「SMの思想史」が1950年代の「奇譚クラブ」を主に取り上げていたので、その前後の歴史の大筋を整理するのにちょうどよいかなと。縄文時代や古神道とのつながりは気になる。2025/03/22




