出版社内容情報
利休に一番近いとされた、細川三斎(忠興)。織部・遠州のような独創性を求めず、武人として武家の茶の湯を大成したとされる三斎の茶を、思想史の対象として取り上げ、史料に沿って論じながら、著者の新見地を開陳する。
内容説明
54万石の大名である一方、千利休の教えを忠実に継承し、古田織部亡き後武家茶の湯を確立した細川忠興。その茶人としての側面を解き明かす。
著者等紹介
矢部誠一郎[ヤベセイイチロウ]
1941年生まれ。國學院大學大学院文学研究科日本史学博士課程満期退学。2012年まで玉川大学文学部教授、鎌倉女子大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
177
忠興は15才の初陣から大坂の陣まで三十数度の合戦に出た。漫画「へうげもの」にあるように、短気で人を信じやすい性格だった。師との結びつきは深く、利休は忠興を頼りにしながら秀吉の動静を詳細に伝えた。著者はそれを利休切腹の主因と見ている。利休から細川家宛ての書状に茶道具で「戦う」という表現があり、この師弟の茶の湯は単なる趣味的な交流だけではなかったと思われる。忠興の茶は師の教えから外れず個性に乏しいとされるが、織部の没後、将軍秀忠に懇切丁寧に指導し、特に道具の目利きには厳しかった。まさに武家茶の大成者といえる。2024/10/27
スプリント
7
武将でもあり茶道の匠でもあり、最後は大名まで上り詰めた細川忠興について書かれた本。 卓越した処世術で戦国時代を生き抜いた人物です。2023/01/22