内容説明
軍神の真の後継者は誰だったのか。上杉・北条・武田の角逐、上杉一門の実態、謎多き「御館の乱」の実相に迫る。
目次
第1章 関東管領上杉輝虎
第2章 北条三郎と越相同盟
第3章 天正三年「軍役帳」をめぐって
第4章 謙信の死
第5章 上杉家反主流派と景虎
第6章 御館の乱
第7章 景虎の苦脳
第8章 御館落城
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
オルレアンの聖たぬき
3
読んでいて、上杉景虎、奇しくも軍神と称された上杉謙信公と同じ名前で戦国の最終幕を駆け抜けた若者の一生は、、、涙無くして語れない。理不尽すぎる御館の乱、そして後世に編纂された軍記物によってさらに理不尽に評価されしまっていることに。読んでいて胸が締め付けれるようになったのは初めてだ。2021/11/11
wuhujiang
1
あとがきに、本書はもともと謙信の後継者候補を後継をめぐる争いをメインテーマにしていたのを、いろんな都合で景虎メインに仕立て上げたもの、とある。そのため、景虎の記述はそこまで多くなく、謙信や景勝周りの話も多い。内容はかなり専門的な分野も多く、人物比定などは正直難しかった。ただし、それを差し引いても得られるものは多かった。謙信はハナから後継者を景勝に決めており、景虎は北条氏との同盟が切れた時点で政治力を失っていた。御館の乱は景虎主導で始まったというより、景勝と反目した家臣たちが景虎を担いだのが発端、など。2025/11/24
フゥドゥ
1
北条氏康の子にして上杉謙信の養子、御館の乱の主役の一人である上杉景虎の一代記・・・とタイトルから想像したけど、書の趣としては、御館の乱のルポルタージュのようなイメージでした 上杉景虎の「考え」や「気持ち」のような物が判然とせず、状況に流されたまま、その場の境遇に全力であたった人な印象を受けました 御館の乱の件は大変分かり易く、とても為になる一冊です2023/11/17
渤海之狼
1
本当にええ本だった。読んですごく得したと思う。もう景虎が後継者なんて言えないな。2011/07/20
ゆきえ
0
読む前はわたしに読みきれるだろうかと不安だったし、関東上杉氏の系図のあたりで気が遠くなりかけたが歴史が動いている部分、とくに謙信死後は小説のようにおもしろく読めた。今まで景勝後継説の立場が弱く、分権説もしくは景虎後継説のほうが有力に語られていた背景もなるほどという感じ。書状や系図を丹念に読み解き証拠を重ねていくので、これを読むと、景勝後継しかないのではないかと思ってしまう。個人的に景勝贔屓というのもあるが。あとがきに謙信か景勝の伝記をいつか書きたいとあったので是非とも読みたい。出来れば景勝で。2011/08/08




