内容説明
55年前、黎明期の即席ラーメン業界にゼロから参入。苦難の下請け時代を乗り越え“百万ドルの舌”を武器に自ら商品開発に携わった「サッポロ一番」が大ヒットし世界のサンヨー食品をつくった伝説の経営者・井田毅。その波乱に満ちた生涯に迫る。
目次
本質を見極める生来の目
即席麺の衝撃
業界へ参入
テレビCMに賭ける
ナショナルブランドへの道
「サッポロ一番」の大ヒット
日本一の座
父・文夫の死と社長就任
物づくりのDNA
海外へ進出
激変する業界
多角化への道
中国進出を決断
劇的な社長交代
東のラーメン王は永遠に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
33
創業経営者が残す立身出世一代記ではあるけれど、馴染みある商品だけに、鼻につくことはありません。むしろ意識せずとも、インスタントラーメンが社会に普及していく過程を同時代で見聞きしていたので、インスタントラーメン開発のエピソードはとても面白い。今や定番のサッポロ一番だけど、確かに「長崎タンメン」も「アラビアン焼きそば」も食べていたなと懐かしい。2018/08/02
MOKIZAN
23
私らの世代であれば、余程単品への偏愛が無い限り、3品(醤油、塩、味噌)の使い分けは出来るし、目隠しして言い当てることなぞ容易だろう、と思うくらい私の舌には夫々の味が擦り込まれている。即席麺という長期突出した勝者の現れない戦国分野にあって、大幅な手直しも多分無く、昭和からの味で確固たるシェアを維持していることは、やっぱりすごい!その基盤が希代なるご夫妻の味覚と、故人の経営者しての資質によって築かれてきたものと理解する。四半世紀前、開拓営業で、ライン停止後に入った富岡工場の乾燥炉内の熱気を思い出していた。2016/09/02
gtn
13
当方、サッポロ一番塩らーめんを愛しており、本著を興味深く読む。まず、氏を「東のラーメン王」と讃えている。日清食品、安藤百福に遠慮しているところが奥ゆかしい。しかし、内容はいかに井田氏の打つ手すべてが完璧で、人格に優れ、不世出の人物であることを裏付けるエピソードが満載。これからも氏に敬意を表してサッポロ一番塩らーめんを、そしてサッポロ一番みそラーメンを、たまにチキンラーメン(日清食品)を食べていくことを誓う。2018/10/29
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
9
誌友さんのレビューで知りました。味を作ったのが奥様だったとは。一番の貢献者は奥様なのではないかと思ってしまいましたよ。2018/08/08
Lesta01
6
【 サッポロ一番は面の原材料、形状が異なっている。麺の断面はしょうゆ味が四角、みそラーメンが楕円形だが、塩ラーメンは円形。しょうゆ味の麺にはコシをつけるために四角で、みそラーメンは麺にスープが絡みやすいようにという理由から楕円で、しょうゆ味の麺には醤油が練り込んであるから、色も茶色がかっている。塩ラーメンの麺は山芋を練りこんでプリプリした食感の丸麺で、さっぱりとした食味が特徴だ。】食べ親しんできたサッポロ一番シリーズ。まさか30年以上食べ続けてきても、そのことに一切気づかなかったなんて…美味いはずだ。2017/06/03