内容説明
貧困の拡大や医療保障制度の後退で、今こそ出番の「無料低額診療事業」…必要性と課題、発展方向を提案する。事業を取り組むために役立つ制度の詳細や事務取扱も紹介。
目次
第1部 無料低額診療事業がつなぐ医療(がん患者のターミナルを支える―生活保護も「四四条減免」も利用できない状況下での無料低額診療;非正規雇用を生きてきた2型糖尿病の四〇代男性―慢性疾患と無料低額診療;人生を変えるきっかけとなった一枚のチラシ―入り口としての無料低額診療;喘息の継続治療を支えた安心感―意外に広い無料低額診療の守備範囲;座談会・なぜ無料低額診療に取り組むのか)
第2部 現代の貧困と無料低額診療事業の果たす役割(無料低額診療事業の特徴;貧困・低所得と医療保障―制度の谷間を埋める無料低額診療事業;拡大する格差と貧困、皆保険制度の空洞化―「貧困大国・日本」と受療権の後退;事例にみる現代の貧困と無料低額診療事業の有効性―医療費「無償」とソーシャルワーカーの支援;無料低額診療事業診療制度の発展のために(提案))
第3部 無料低額診療事業と京都保健会(無料低額診療事業とその変遷;京都保健会での取り組みと今後の課題;無料低額診療事業実施医療機関の事務と整備)
著者等紹介
吉永純[ヨシナガアツシ]
花園大学社会福祉学部教授(公的扶助論)、博士(福祉社会学)、全国公的扶助研究会会長、貧困研究会運営委員。1982年、京都市役所に入り、福祉事務所を中心に、生活保護ケースワーカー(12年6月従事)をはじめ生活保護事務、生活保護監査、ホームレス担当、介護保険事務などに携わる。2006年、花園大学社会福祉学部助教授を経て、2008年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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