内容説明
本書は、台湾における日系新宗教の受容を扱った社会学的モノグラフである。エスノセントリックな教理を説いた生長の家に焦点を合わせ議論を進め、日本中心主義的な教理が、旧植民地において熱烈に受容された要因を質的な調査研究から探った。戦後台湾の特殊な社会状況の下で、かつての「祖国」と天皇を憧憬するメンタリティが醸成され、日本語族の擬似的エスニックチャーチが形成されたメカニズムを論じた、ポストコロニアル論でもある。
目次
序章 研究の目的・視点・方法
第1章 研究の第一与件―台湾社会の歴史的変遷
第2章 研究の第二与件―生長の家が発信したメッセージ
第3章 台湾における生長の家の展開
第4章 生命實相研究會と信仰受容の様態
第5章 中華民國生長之家傳道協會の発足と受容の様態
第6章 台湾における生長の家の受容・停滞の規定要因
終章 結論
著者等紹介
寺田喜朗[テラダヨシロウ]
1972年鹿児島県屋久島生まれ。東京学芸大学、東京学芸大学大学院修士課程を経て、東洋大学大学院博士後期課程修了。博士(社会学)。東京学芸大学・東洋大学・駒澤大学・上越教育大学他における非常勤講師を経て、現在、鈴鹿短期大学非常勤講師兼事務職員ならびに東洋大学東洋学研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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