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内容説明
ボストンの駐車場で夜間警備員として働く、若きイラク帰還兵メイヴン。ある晩、強盗に襲われた彼は、反撃のすえ相手を殺しかけてしまう。その翌日、メイヴンは一人の美しい女からある人物に連絡するよう伝言を受ける。メイヴンを待っていたのは元軍人だという謎めいた男ロイス。彼はメイヴンに自分のチームで働かないかと言ってきた。除隊後鬱屈した日々を送るメイヴンのような男たちを集め、麻薬組織を襲撃して街を浄化すること―それがロイスの“仕事”だった。戦場を思い起こさせる仲間たちとの絆と多額の報酬、すべては完璧に思えた。ある日歯車が狂いだし、街に血が流れ始めるまでは…。
著者等紹介
ホーガン,チャック[ホーガン,チャック][Hogan,Chuck]
マサチューセッツ州生まれ。ビデオショップの店員をしながら書いた小説『人質』(講談社)がエージェントの目にとまり、たちまち大手出版社でデビュー。3作目の『強盗こそ、われらが宿舎』(ヴィレッジブックス)でハメット賞を受賞。ミステリー界での地位を不動のものとする。現在もマサチューセッツ州在住
加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
32
湾岸戦争の帰還兵メイヴンに、麻薬組織の壊滅を持ちかける謎の男ロイス。中盤までは麻薬組織壊滅のストーリーが進んでゆく。ここら辺りまでは、普通のクライムノベル。特に可もなく不可もなく。ここでやめずに読み続けましょう。中盤以降からストーリーは急転。一気にクライマックスまでは、私好みのアクションと、暴力の連続。「タクシードライバー」のラストを彷彿とさせた。初めて読む作家さんでしたが、中々の1冊でした。ドン・ウインズロウ「犬の力」には及ばずとも、その手の作品がお好きな方にははまるのではないでしょうか。2015/10/15
タナー
17
チャック・ホーガンの作品は、ベン・アフレック監督/主演/脚本で映画化された「強盗こそ、われらが宿命」を読んで以来実に久々だった。この作品は本国では2010年にリリースされている。本作もまた、疾走感溢れるストーリーに仕上がっている。詳しい物語には敢えて触れないが、本作も映画化されたらとても面白いに違いない。邦訳されてない作品もまだあるので、いつか読める日が来ることを願う。一気にイケてしまいそうな面白さだった。2025/03/31
読書らいおん
5
読みやすい犯罪小説でした。後書きでウィンズロウの「犬の力」と比較されてますが圧倒的に軽くサラッと読めます。撃ち合いはたくさんですけど。強盗団という設定や主人公のキャラ、葛藤は魅力的で引き込まれました。ロイスの「明日の男理論」も素晴らしかった。が、ストーリーは緩やかな展開で、普段の生活の描写も多いのでそこまでドキドキはないです。と思えば後半の後半は怒濤の大立回り。テンポがいいというより集約しすぎた感じでした。しかし作者のこれからには期待大。2011/12/01
しゃお
5
序盤はイラクから帰った元兵士の行き場のない心情が。中盤は麻薬商を襲撃し麻薬は捨てて現金を奪う強奪チームの一員となっての高揚感。終盤は復讐に燃えるアクションと最初から最後までグイグイと読ませてくれました。そこにボスの愛人でハイスクール時代の憧れの女性との関係も絡めて緻密に描かれ、着地点も良かった。2011/02/10
Schunag
4
クライム・ノヴェルのお手本のような良作。手触りは武骨ですが仕事はじつにていねい。主人公の友人リッキーがいい。あと腕時計を筆頭に小道具づかいの巧みさ。2011/02/16