内容説明
西洋科学の英知を集めた“蒸気船”から幕末を読み解く。ペリーの黒船来航後、わずか15年で日本人が自らの力で蒸気船(=黒船)を造り、近代化への道を切り開いた“海軍伝習所”をめぐる物語。巻末に「海軍伝習生名簿」を付す。
目次
第1章 幕府とオランダ
第2章 生涯の宿敵
第3章 江戸から脱走した幕臣
第4章 陪臣からの転身
第5章 オランダ通詞の幕末
第6章 幕臣という呪縛
第7章 長崎製鉄所の生みの親
最終章 製糸業から外国航路まで
著者等紹介
松尾龍之介[マツオリュウノスケ]
昭和21年、長崎市生まれ。昭和44年、北九州市立大学外国語学部卒。昭和46年、上京。漫画家・杉浦幸雄に認められる。主に「漫画社」を中心に仕事をする。洋学史研究会会員。俳句結社『空』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
63
タイトルと副題から「国産蒸気船製造プロジェクト」を追う、幕末版プロジェクトX的話を期待していたが、違った。製鉄技術、造船技術、通訳、活版印刷、弾道論など、「黒船の製造」に必要な要素/周辺技術に関わりのあった人物について、幕府関係者、薩摩藩、佐賀藩、オランダ人などから、それぞれピックアップして、その仕事を紹介する構成。「黒船の製造」のために吸収する必要があった技術の広さ深さを実感。特に印象深かったのは、長崎製鉄所を建てたヘンデレキ=ハルデス、ニュートン力学に「重力」「引力」などの訳語をあてた都筑忠雄など。2016/08/20
よしひろ
6
幕末は後世の人々が振り返るほど、面白い人間がいっぱいいた。2016/01/22
Tattsu Arara
2
自分の信じた道を貫いた人たちのおかげで今の日本があるんだなぁ。貫いた道が失敗だった人もいただろうけど2015/09/10