出版社内容情報
せめぎ合い、揺れ動き、書き換えられる境界線。今、国境が再び注目を集めている! 全71テーマ。フランス『ル・モンド』紙のインフォグラフィックス部門が作成した美しく精細な地図を見ながら、地政学と国際安全保障問題のスペシャリストが、世界の成り立ちと紛争、未来を語る。
ウクライナやパレスチナなど紛争によってせめぎ合う国境。気候変動によって地形が変わり国境も書き換えられるアルプス周辺国。資源の争奪に揺れる北極海の境界線。複数の国による支配地域がもつれた糸のように入り組むカシミール地方や南沙諸島。国境線がいまだ曖昧なままのアフリカ諸国。様々ないきさつから不自然に取り残された回廊や飛び地。増え続ける壁やフェンスで分断される世界、逆に自由な人の往来を許す国々――。国境は昔から当たり前のように存在していると思われているが、実はあいまいなもので、今も揺れ動いているのだ。
国境に特化した、ほかにないユニークな1冊。人々を隔てたり結んだりする境界線がどのように形作られ、その背後にどんな問題があるのかをわかりやすく伝えより良く理解するのに役立つ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
121
太古から争いの絶えない国境線、日本は島国で良かったと思える一冊です。住宅地の些細な境界線でも十分揉めますからね(笑) https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/product/25/030300013/2025/03/25
skr-shower
2
島国の日本でも離島諸島でもめるのに、陸続きであったり植民地の飛び地であったり複雑さが増す。一般的な地図でもよくわかってないのに…2025/05/14
お抹茶
2
さまざまな国境問題を図示する。「文明の衝突」の文明の区分はけっこう大胆。海洋領域はアメリカ,フランスの順に広く,フランスは世界最大の海洋領土を目指して今も大陸棚を延長している。カスピ海を海と見做すと,沿岸諸国は領海における主権を自由に行使して排他的経済水域の資源を開発できるが,湖と見做すと,その水域や資源は沿岸諸国による共有財産となる。国境の壁は2000年代でも増加。「変わった国境」も興味深い。スーダンと南スーダン,ガザ,ナゴルノ・カラバフの国境紛争の図にも注目。2025/05/05
Go Extreme
2
国境は人為的 国境は歴史の痕跡 サイクス・ピコ協定 排他的経済水域 国境が墓場と化すとき (地中海移民) シェンゲン圏 スペインの飛び地 (セウタ・メリリャ) 世界で最も重武装された国境 (朝鮮半島) 砂の壁 (西サハラ) 分断された島 (キプロス) 治外法権 (グアンタナモ) 世界一複雑だった飛び地 (クーチベハール) 内陸国 (二重内陸国) 準国家 (限定的承認国家など) あやふやな国 パレスチナ あまりにも神聖な地域 エルサレム ウクライナ紛争 新たな鉄のカーテン 水・石油・天然ガス資源紛争2025/04/21
malty
1
「近年、中ロ両国による、国際的に認められた国境を超えた政治、経済、軍事活動が増大している。これは、自国の影響力を近隣地域に拡大しようとするものであり、おそらく、彼らの本質が、国家ではなく帝国であることと無関係ではないだろう。」(Ⅵ 帝国の進撃)2025/05/18
-
- 和書
- 神仙伝 中国古典新書