内容説明
シッダールタが悟りを得たとされる菩提樹の子孫、ニュージーランドのマオリ族が魂の帰り道だと信じる愛の木、大統領が亡き妻を偲んで植えたタイサンボク、そして活動家ジュリア・バタフライ・ヒルが738日間にわたって座り込みを続けて伐採から守ったレッドウッド。人々の文化を形づくり、無数の人生に影響を与えてきた樹々の物語にやさしく寄り添い、写真と文章で紹介。万病を癒やす、慈悲深い存在「女神シータラーの木」、再生と力強さを象徴する「9.11を生き延びた木」、万有引力の法則発見の契機「ニュートンのリンゴの木」…など59話
著者等紹介
クック,ダイアン[クック,ダイアン] [Cook,Diane]
米国ニューヨークに住む風景写真の大家
ジェンシェル,レン[ジェンシェル,レン] [Jenshel,Len]
米国ニューヨークに住む風景写真の大家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takashi Takeuchi
14
写真家で作家でもあるクックとジェンシェルが二年の歳月を掛けて五大陸59ヵ所の樹木を撮影、写真と共にその樹木に関する逸話を重ねた一冊。原爆を耐えた木(長崎)、9.11を生き延びた木(N.Y. )、虐殺を見つめた木(カンボジア)など。自然の命のたくましさ、木に託した人々の祈りが伝わり樹々の見方が変わる。実物を見た中ではアンコールワット寺院群タプローム。修復にあたり樹々を取り除かなかった判断が素晴らしい。ナショナル・ジオグラフィックらしい美しい本。2022/09/22
ちょび
3
何百年も生き続けた樹々、その前に佇むだけで厳かな霊的なものを感じます。この写真集には歴史の証として存在する樹々がたくさん撮影されています。特に心に残ったのは、それはそれは大切にされたインドセンダン、家の中に彼の木が鎮座し、枝を布で巻かれた姿、さらに、2階屋から突き出て、なお枝を伸ばす姿でした。そして、ポル・ポト政権の恐怖政治のもと、大虐殺の場となったキリングフィールドの木でした。2018/05/11
buchi
2
樹木って寿命が1000年単位の生き物。決してその場から動かないけどその姿は変化していく。切り倒されることなく数千年を生き続けた木なら当然その間の長い歴史を持つ。そういう木を見ると神がかって見える。人間が遠く及ばない何か。この本はそんな木ばかり。世界には色んな歴史を持つ木があるなぁ。人間はちょっと便利な生活の為に簡単に林や森を伐採してしまうけれど、もし彼らが喋れたら何ていうかな。…と思いながら家の雑草を引き抜く僕。人間は矛盾だらけ。2024/08/31
こも 旧柏バカ一代
2
実際に行きたくなる。2018/11/04
sloth_life
1
「永遠の榕樹」が特に印象に残りました。2020/08/01