内容説明
雄大な自然の中にひっそりとたたずむのはだれ?うつろう地球の自然と、そこに生きる動物の姿が語りかけてくるものは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
63
こんな大地のただ中に、ぽつんと置き去りにされたらと思うと…ちょっとどころか、かなり怖い。大自然の中にいる野生の動物たち。ミーアキャット、オオカミ、ヘラジカ、アフリカゾウ、キリン、フラミンゴ、シラサギ、チーター、ヒグマ、ペンギン、トナカイなどなど、たくさんの動物たちが出てくる。彼らは、ぽつんとしていても悠然といる。何事もなく平然と、大自然の中に溶け込んでいるのだ。あるべき姿、あるがままの姿というのは、実に格好いいのだ。ぽつんもいいのかもしれない。ぽつんであるが故の美学が、そこにあるのかもしれない。2013/02/19
キジネコ
49
この世界が私達だけのものではないことを思い出させてくれたのは星野道夫だった。ひとは恰も、この惑星の主、王の様に振舞っているが その滑稽を自ら笑うことをやめてはいけないなあ。自然の風景の中に見える命、見えない命。其処に息づく様々の姿が愛おしいのです。一枚一枚の中、そのぽつんがいったいどう感じ?何を考えているんか。いや「考」は相応しくなく「感」も又近似値でしかない。言葉は、方便ですもん。ただあるだけ、あるがままにあるだけ。「好事(こうじ) 無きに如(しか) ず」禅門に木霊する同じ音を聞く様な気が致します。 2018/11/15
むぎじる
37
”ぽつん”というと寂しい響きがするけれど、ここに登場する動物たちは雄々しく凛として見えた。動物だけでなく、自然の色の美しさにも大満足できた。2014/01/26
タピオカ
29
圧倒的な大自然の中に動物がぽつんといる79枚の写真。どうやって撮ったのかしら。生きている気高い姿。いつまでも見ていたい。 2019/01/26
ほむら
29
広大な大地に浮かぶシルエットは、さながら切り絵のようである。偉大で残酷で美しいその自然の中でひとりぽっちの彼らの心は、果たして勇ましいのか、寂しいのか。水辺に佇む小さなキリンの姿が、山々を見つめるゾウガメが、神の如く岩山に立つヤギの姿が、草原を見つめる雄々しい背中のチーターが、人間の群れでもまれながら生きている私の心を震わせる。終わりの見えない地平線の向こうに、何を見ているのだろう。この本の中の「孤独」は、決して悲観的なものではない。広大で、美しく、そして力強い生きる力そのものだ。2013/05/07