内容説明
あの旅が今の自分をつくっている―日々の暮らしの中で、過去の旅と今が交差する瞬間を切り取った旅と人生をめぐる断想集。
目次
第1部 あの日がいまを作っている(赤面モノ、思い出の手紙;はじまりの場所へもう一度;いつかまたラマレラで ほか)
第2部 自分にとっての書くということ(二〇代、まだ何も始めていなかったころ;話を聞いてわかること;思い出すことが糧になる ほか)
第3部 旅することと生きること(取り戻せない自転車旅行;自分の力ではどうにもならないことがある;先の見えない素晴らしさ ほか)
著者等紹介
近藤雄生[コンドウユウキ]
1976年東京都生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院修了。2003年、旅をしながら文章を書いていこうと、結婚直後に妻とともに日本を発つ。オーストラリア、東南アジア、中国、ユーラシア大陸で、約5年半の間、旅・定住を繰り返しながら月刊誌や週刊誌にルポルタージュなどを寄稿。2008年に帰国。大谷大学/京都芸術大学非常勤講師、理系ライター集団「チーム・パスカル」メンバー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チャッピー
36
著者は理系の大学院を卒業してすぐ、物書きになりたいという思いを抱いて貯金が続く限り海外で暮らしてみようと夫婦で中国へ。そこからユーラシア、ヨーロッパ、アフリカへと定住と移動を繰り返した5年間。日本に帰って10年以上経ち、その頃書いたものを読み返して今思うことを綴ったエッセイ。あの時間は取り戻せないけど幸福感は消えない…読みながら自分も昔の旅の記憶が蘇り、思い出にひたった。2021/02/15
めい子
2
おもしろかった、というかもっと早く読めばよかった。 7月に入って急に忙しくなり、なかなか読み進めることが難しくなり、読了まで約3週間もかかってしまいました。 5年以上も旅を続けていたご夫婦の記録みたいな内容でした。いや〜楽しそうでした。5年間の中では本当にいろいろなことがあったと思います。それでも心から楽しまれていたようで、羨ましくもありました。文章もわかりやすく更にはとても読みやすく、また好きな作家さんが増えました。ほかの作品も是非読んでみたいです。2023/08/05
dai
1
社会人になって2年が経とうとしている。仕事にも慣れつつあるけど、1日1日はあっという間で、同じ毎日。どんな1日だったかを思い出せることは少ない。職場にはいろんな年代の方々がいて、将来自分もこういう風に働いているのかと思うと虚しくなっていた。本書を読み、自分の心の中で「未知」を求めていたんだなと感じさせられた。コロナ禍で思うような行動は難しいけど、旅に出たくなった。
コウトク
0
旅に出るので、旅の本を読みたくて本屋で何気なく手に取って買った1冊。「旅と書くこと」をテーマにしており、まさに私の興味のど真ん中だった。私も敬愛している沢木耕太郎さんへの手紙のくだりや、文筆業を本業としている傍ら大学で紀行文を専門として教鞭を執っているという経歴は特筆すべきものだ。確かに文章もうまい。「旅は心躍る」「未知性」という言葉にグッときた。この作者にとても興味を持った。ぜひ会ってみたいと思った。旅をテーマにした本は結構読んでいるつもりだが、これは最高峰の1冊だと思う。2022/12/25
ジュースの素
0
自分を見つめて赤裸々に書いている。人生、どんな時も選択。それで少し方向が決まる。で、また選択。 旅は帰ってくれはそれで終わりじゃない、その人の人生に何かを残す。2022/04/21