内容説明
永井荷風は晩年、千葉県市川市に居を移した。戦後まもなくの頃で、周囲にはのどかな田園風景が広がっていた。市川で育った著者は、荷風の日記に記された記述をたどりながら、幼少期の回想を綴る。昼下りの銭湯で見かけた荷風の二の腕に彫られた「こう命」の刺青にまつわる秘話。そして、「昭和」という時代のかけがえのない記憶が懐かしく、ときに哀切に紙面から立ちのぼる。
目次
第1部 荷風のいた街(菅野;露伴;バレエと兵服;食パン;駄菓子屋;転落;繁華街;川面の夕陽;遺跡見学;真間川;弁慶;祭りと盆踊り;出会い;刺青)
第2部 荷風散策(考証・荷風の刺青;“荷風の市川”読み歩き;散策する人・荷風)
著者等紹介
橋本敏男[ハシモトトシオ]
1937年東京生まれ。62年読売新聞社に入社、主に婦人部(現・生活情報部)で教育・子どもに関する問題を担当。97年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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