内容説明
梨園の花―菊五郎、団十郎、羽左衛門、花柳界の名妓―ぽんた、照葉、万龍に清香。抱月、須磨子に伊藤博文、頭山満…、世間をにぎわした個性ゆたかな人々が織りなす色と欲、そして人情の明治風俗彩色絵巻。都新聞の花柳演芸記者を勤め、長唄、清元、娘義太夫、浪曲等々、演芸全般に通じ「明治大正昭和へかけて懐かしの東京を知るは今や平山蘆江唯一人」と謳われた粋人の粋で、乙で無類に愉しいゴシップ噺が満載。
目次
明治風俗絵巻
梨園の花(六代目;市村羽左衛門 ほか)
狭斜の月(お妻とぽんた;清香と花香 ほか)
絃歌の雪(江戸小唄由来;高輪の師匠 ほか)
街頭情趣(梅常陸時代;異風変容録 ほか)
著者等紹介
平山蘆江[ヒラヤマロコウ]
小説家・随筆家。本名は壮太郎。1882(明治15)年、神戸生れ。1953(昭和28)年没。実父の死後、長崎の酒店平山家に引き取られる。東京府立四中を中退。日露戦争中に満州に渡り放浪。帰国後、都新聞・読売新聞の花柳演芸欄を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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犬養三千代
7
江戸から明治大正昭和へと続く東京。花柳界、歌舞伎、寄席の名人上手たちの話。芸者の心意気はパトロンの後ろ楯がありその財て役者を育てる。桁違いのお大尽、伊藤の午前をはじめとする大臣たちの鷹揚さが面白い、。紋清殺し、箱屋殺し、夜嵐お絹の事件も、盛りだくさん。 京、上方のこの手の本を探してみたい。2020/03/28
HANA
6
粋というものがまだ生き残っていた時代のお話。役者、芸者が織りなす綾を見ていると、芸者が絶滅し役者が上流階級に成り下がった現代が非常に味気なく思える。明治・大正・昭和の裏面史としても風俗史としても非常に重宝しそう。2011/05/13
七澤
1
旧かな使いなのに不思議と読みやすいんだよなぁ2023/06/07
kokada_jnet
1
昭和27年刊行の住吉書店版を読んだ2009/04/03
yokopuddings
0
歌舞伎好きにはたまらん本です。2011/08/31